『芬蘭』は北欧のある国を指しますが、何と読むのでしょうか?正しい読み方や国名・国旗の由来、意味を紹介します。芬蘭の気候や文化などの関連情報についても触れるので、どのような国なのかについて把握し、知識を深めましょう。
芬蘭の正しい読み方
『蘭』という漢字が使われているので、花の蘭と関係が深い国の名前だと考える人もいるかもしれません。『芬蘭』の正しい読み方や意味を確認しましょう。
読み方は「フィンランド」
芬蘭の正しい読み方は『フィンランド』で、略称は『芬』です。中国語でも同じ漢字表記が使われています。日本では漢字表記に特に意味はなく、音の響きを漢字に当てはめた当て字です。
『蘭』は、『ランド』が付くほかの国名にも使われています。例えば、『氷蘭(アイスランド)』や『愛蘭(アイルランド)』『新西蘭(ニュージーランド)』です。
ただし例外もあり、オランダにも同じ漢字が使われています。『和蘭』と書き、略称は『蘭』です。
芬蘭の国名や国旗の由来
フィンランドという国名には、どのような意味があるのでしょうか?国名の由来を紹介します。国旗の由来についても確認しましょう。
由来は「湖沼の国」という言葉
国名の由来には諸説あり、『Fen(湖沼)』と『Land(国)』が合わさった『フェンランド(湖沼の国)』が、フィンランドに変わったとされています。フィンランド語でフィンランドは、『Suomi(湖沼)』と呼ばれているのです。
ほかにも、バルト海北東部に居住している人が『Fenni』と呼ばれていたことに由来するという説や、ラテン語で終点や果てを意味する『Fin』が由来とする説もあります。
フィンランドが、スウェーデン語で『Finlonti』や『Finlandi』と呼ばれていたことが由来というのも説の一つです。
空や雪を表現した国旗
フィンランドの国旗は、白地に青の十字が描かれたシンプルなデザインです。白は清らかな雪、青は湖沼や空を表しています。
キリスト教の象徴である十字は、左側に交点が寄っていて横長になった『スカンジナビアクロス』です。デンマークやスウェーデン、ノルウェーなど、スカンジナビア諸国に共通するデザインです。
なお、政府が使用する公式な国旗には、十字が交わる部分に赤い紋章を付けたデザインが使われています。紋章には、黄色のライオンをベースに、右前足だけが防具を装着して剣を振りかざした人の腕となっているデザインが取り入れられています。
芬蘭について知ろう
北欧に位置する国であることは知っていても、フィンランドがどのような国なのか、よく知らない人もいるでしょう。気候や文化など基本情報を紹介します。
芬蘭の基本情報
フィンランドの正式名は『フィンランド共和国』で、首都は『ヘルシンキ』です。スウェーデン・ノルウェー・ロシアと隣接しており、日本よりやや小さい面積に約553万人が暮らしています。
主な宗教はキリスト教です。言語はフィンランド語ですが、スウェーデン語を話す人もいます。
国連が発表した2023年版の「世界幸福度報告書」によると、調査した137カ国の中でフィンランドは6年連続で最も幸福度が高い国に選ばれました。医療や福祉、教育など、さまざまな分野で制度が充実しており、暮らしやすい国であるといわれています。
寒暖差が激しい芬蘭
国土の約1/3が北極圏に位置するフィンランドは、冬の寒さが厳しいことで知られています。しかし、夏場は30℃を超える場合もあり、年間の寒暖差が80℃超えと気温の変動が激しいのが特徴です。
秋から春にかけては、夜空に輝く幻想的なオーロラが見られます。緯度が高い地域ほど、オーロラを見られる可能性が高くなります。フィンランドの最北部にあるラップランド地方では、年に200回もオーロラを見られるそうです。
夏場は、1カ月以上も太陽が沈まない『白夜』という現象が起きるのも、北欧ならではの特徴です。夜でも明るいため、さまざまなイベントや祭りが開催されています。
サウナ発祥の地
近年、日本でもなじみのある『サウナ』ですが、サウナ発祥の地がフィンランドであることを知らない人もいるのではないでしょうか。実はサウナという言葉は、フィンランド語です。
フィンランドにあるサウナの数は、200万~300万件といわれており、多くの家庭にサウナが完備されています。ヘルシンキの国会議事堂にもサウナがあるほどで、フィンランドの人々にとって、サウナが生活に欠かせないものであることが分かるでしょう。
健康やリラックスのためだけでなく、友人や来客と一緒に楽しむなど、交流の場としても使われています。
観光で訪れたい芬蘭の世界遺産
フィンランドには、複数の世界遺産があります。中でも観光スポットとして人気なのが、『ラウマ旧市街』です。18世紀の伝統的な家屋が600軒ほど並んでおり、1400年頃に建てられたとされる『フランシスコ修道院』が見どころの一つです。
1748年に建てられた『スオメンリンナの要塞』は、全長6kmもの壁に囲まれています。一時はロシアに占領されましたが、独立後に城という意味の『スオメンリンナ』と名を改めました。現在は、モニュメントとしてだけでなく、公園として開放されています。
構成/編集部