こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。
裁判例をザックリ解説します。
両者リングへ。・・・・・・ファイト!
経営者弁護士
「引き継ぎをせずに辞めてますよね」
「損害賠償請求します」
部下のX弁護士
「あなたからパワハラを受けました」
「無資格にしてやるぞって言われたり…」
「損害賠償請求します」
勝者は?
以下、分かりやすく解説します(弁護士甲野法律事務所事件:東京地裁 R3.4.27)
※ トラブルを一部抽出
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話風でお届けします
どんな事件か
▼ 弁護士事務所の規模
小規模です。X弁護士が入所したとき、その弁護士事務所は【経営者弁護士と部下弁護士が2名】の体制でした。
▼ 精神的限界が…
入所してから4年半くらいでXさんは事務所を去ります。ミスが多いなどで経営者弁護士から叱られまくって精神的に限界がきたようです。
話し合いをせず・・・辞表を置いて、去りました(マイクを置いてステージを去る山口百恵の引退スタイルです)。
辞表には以下の記載が。
「私は本日をもって当事務所を退職させていただきます。精神的にも金銭的にも限界です」
▼ 泥沼バトルがスタート
先手で訴訟を提起したのは経営者弁護士です。言い分はザックリ以下のとおり。
経営者弁護士
「キチント引き継ぎなどせずに辞めてますよね」
「損害賠償請求します」
X弁護士の反撃!
X弁護士
「パワハラされたので損害賠償請求します」
■ さらなる泥沼(懲戒請求)
お互いが懲戒請求をします。
Q. 懲戒請求って何ですか?
A.「この弁護士ヤバイからお仕置きしてよ」と弁護士会に申し立てることです。ヤバさの度合いが高ければ業務停止や除名になることがあります。依頼者のお金を横領したり盗撮して処分されるヤカラもたま〜にいます。