頭・首・肩をしっかり支えて一直線の姿勢を維持する
同社従来品の2.6 倍となる約1550g の素材を使用。素材は数種類をブレンドし、上部に約925g、下部に約625gを充填した2 層構造で、厚みを出しつつ、頭・首・肩をしっかり支えるフィット感を実現した。
上部は、流動性のある超小発泡ビーズと極超小発泡ビーズ、復元性のある低反発ウレタン、弾力性のあるポリエステルわたを使用した柔らかい質感に、下部は、復元性のある粉砕ウレタンと低反発ウレタン、弾力性のある粒わたで硬い質感にし、頭、首を柔らかく包み込みながら、沈み過ぎを防ぐ構造に。
「中材も発泡ビーズだけだと流れやすく詰め物が偏ってしまうため、流動性、復元性、弾力性がうまくバランスの取れる複数の素材をブレンドして入れることで、流動性を抑えてよりフィット感を出しています」(松藤氏)
頭、首、両サイドと4つに区切ることで、中材が偏ることなく厚みを維持することができ、横向きで寝るときも高さをキープして首をしっかりとホールド。上部には「肩フィットライン」を設けることで、肩のラインに沿って中材が隙間にフィットして肩を支え、硬い質感の下部が上部で包み込んだ頭・首をしっかりと支える。この2層構造により、どんな体型の人でも頭・首・肩がフィットし一直線の姿勢を維持することができる。
寝る姿勢がすぐに決まるので、仰向けや横向き、うつ伏せなど、どのような寝方をしてもくつろぐことができる。学生の意見では横向きになるときや、うつ伏せになるときにもフィット感があればうれしいという声があり、上部と下部の隙間に手をいれることができるようにして、横向きで寝るときにもフィット感が得られる。
ひざの上に置いてゲーム中の肘置きにしたいという意見もあったため、下部を硬い質感で厚みのある大判サイズにすることで、クッションとしても使用できるようにしており、ゲームやデスクワークの時にも使うことができる。また、チェアと背中の間に置いて腰や背中をサポートするなど、様々なシーンで活用できる。
オープン価格(想定価格1万9800円)で、専用カバー1枚付き。予備用にカバーの別売り(オープン価格/想定価格3980円)もあり。カバーは取り外して洗濯機で丸洗いができ、本体も水洗いできる。
【AJの読み】ゲーマー枕に続きゲーミングデスク・チェアも検討中
従来の枕とは異なった蝶のような2枚羽形状。一見するとかなり高さがありそうだと感じたが、実際に寝てみると頭と肩がすーっと吸い込みようにフィットして、寝返りしても楽な状態が保てる。
ゲーマーを想定して開発された枕だが、パソコン作業が多いビジネスワーカーにもおすすめ。うつ伏せでも安定感とフィット感があるので、推奨できないがついやってしまう「寝る前スマホ」も楽にできそう。
「今後も滋慶学園と共同開発を続けていく予定で、今開発しているのが、学生さんから様々な意見を聞くことができたデスク、チェア。学生さんによるとゲームプレイ中はいろいろな姿勢でしているとのことで、胡坐をかいてゲームをしているという人もいましたね。そうした姿勢に対応したチェアも考えていますが、デザイン性を取るか、機能性を取るか、価格を取るか、どこを目指すのかをさらに学生さんの意見を聞きながら、今年中にはデスク、チェアをデビューさせたいと考えています」(松藤氏)
ゲーミングチェアは海外の自動車用シートのメーカーが発祥で、デザイン性は高いが日本人にはサイズが大きすぎるということもあり、サイズ感や長時間座っていても疲れない機能性を重視した形で、学生の声を活かしつつ、山善ならではの特長を出せる商品を開発したいとのこと。
「山善×東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校 共同開発製品」が、ゲーミングファニチャーの領域でブランド化していくのか今後に注目したい。
文/阿部純子