世の中がより柔軟な働き方を求めるようになり、多くの人が以前にも増して自宅で仕事をするようになった。この変化は、多忙な通勤を避け、よりリラックスした環境で仕事ができるなど、多くのメリットをもたらすが、一方で仕事とプライベートの境界線を曖昧にしてしまうことにもなりかねない。
ExpressVPNはこのほど、会社支給のデバイスでリモートワークをする就労者の時間の使い方をより深く理解するために、ハイブリッドまたは完全在宅で働く米国と英国の会社員2,000人を対象に調査を実施し、その結果を発表した。
この調査から、一部のリモートワーカーが会社の技術的なデバイスをどのように使用(場合によっては悪用)しているのか、それが両者にもたらす影響、関係者を保護するための予防策について垣間見ることができる。
リモートワーカーの中には、週の67%を仕事以外のタスクで浪費する者もいる
私生活に影響が出たり、寝不足だったり、集中力が続かなかったりすると、時間をつぶす方法を探して時間を無駄にしてしまったりした経験は、誰にでもあるだろう。人間には気が散ってしまう性質があるのだ。
しかし、リモートワークで長期間にわたって生産性の低い状態が続くと、あらゆる企業にとって有害となる可能性がある。
調査対象者の3分の2以上が、会社支給のデバイスを使用して何らかの形で時間を浪費していると回答している。
また、週40時間の労働時間のうち、平均13時間しか専門的な仕事に費やさず、残りの時間の大部分は仕事とは関係のないウェブサイトを閲覧していた。これは、従業員1人当たり年間1,400時間以上の労働時間を無駄にしていることになる。
では、リモートワーカーは、目の前の仕事をこなすためでないとしたら、一体何のために職場のテクノロジーを使っているのだろうか。
回答者の3分の2が、個人的なメールのチェックや返信に週平均4時間費やしていることを認め、64%が同じ時間をニュースの閲覧や調べものに使っていると回答した。
これは大きな影響ではないように見えるかもしれないが、調査対象者の59%は、週平均3時間、ネットショッピングに時間を使っていると回答し、54%はSNSの閲覧に時間を使っていると回答している。
また、半数以上の人が在宅勤務の時間をレストランや旅行の予約に使っていると答えている。さらに驚くべきことに、44%の社員が、仕事の代わりに会社支給のデバイスでテレビシリーズや映画をストリーミングしており、その時間は週平均2時間であると答えている。
リモートワークで非生産的な時間を過ごす社員がいるのは、現在の職務に不満があるからかもしれない。49%の会社員が転職活動に週に平均3時間を費やしていることを告白している。
米国の会社員の42%が、リモートワークでの勤務時間中に会社のPCでアダルトコンテンツを見ていることを認めている
驚くべきことに、一部のリモートワーカーは、会社のポリシーに違反する可能性があるだけでなく、自身と組織の両方にとって重大なリスクをもたらす行為を認めている。
回答者の10人に4人は、仕事の代わりに会社支給のデバイスでギャンブルをし、平均して週に3時間費やしていると答え、37%は仮想通貨の売買に、33%はダークウェブの閲覧に同程度の時間を費やしていると回答した。
米国の回答者のうち、42%が会社のPCでアダルトコンテンツを見ていることを認め、平均で一人当たり年間196時間を費やしているようだ。この数字は英国ではより低い結果が出たが、調査対象者の24%が会社のデバイスでアダルトコンテンツを視聴していると回答し、年間平均時間は97時間に達した。
アダルトコンテンツサイトへのアクセスが問題なのは、仕事中の時間の使い方として不適切であるだけでなく、このようなサイトは悪意のあるソフトウェアの媒介として使われることが多く、マルウェア感染やサイバー攻撃のリスクを高める可能性があるためだ。