オーディオブック書籍「audiobook.jp」を運営するオトバンクは、最近リスキリングなど社会人の学びに注目が集まっていることを踏まえ、ビジネスパーソン401人を対象に「学習スタイルチェック診断」を実施。回答結果をグラフ化して発表した。
調査の背景
昨年「リスキリング」が新語・流行語大賞にノミネートされるなど、社会人の学びやスキルアップに最近注目が集まっている。
そこで従業員向けにe-ラーニングなど様々な研修ツールを導入する企業や、個人でセミナーに参加したり、書籍を読んで学んだりという人も多いのではないだろうか。
しかし、同じ研修を受けているはずなのに従業員間で習熟度に差がある」「本を読んでみたが、いまいち理解が進まない」という声も聞く。
その背景には「認知特性の違い」があると言われている。
認知特性は「人がそれぞれもっている記憶や思考の仕方の“好み”」のことで、視覚優位、言語優位、聴覚優位などに分類される。
情報をインプットする際、絵で見て理解するのが得意な人もいれば、文章を読んで理解するのが得意な人、聞いて理解するのが得意な人がいることも、その一例だ。
こうした違いは学習スタイルにも現れるため、同社では効率よく学ぶためには、自分の認知特性を知り、それに合った学習方法を見つける必要があると指摘。
今回は聴覚系、言語感覚系、視覚系、触覚系、それぞれの優位感覚に当てはまる人がどのくらいいるのかを調査した。
「耳」を使った学習が合っている聴覚系と言語感覚系が約7割
401人の優位感覚で最も多かったのは言語感覚系で全体の52.1%。次いで聴覚系(17.7%)、触覚系(17.5%)、視覚系(12.7%)という結果になった。
言語感覚系の人は、「思考」を通して物事や情報を吸収し理解することが得意で、誰かと話し合うことでより理解を深めることができるという。
そのため、「聞く」ことを通して物事や情報を吸収し理解することが得意な聴覚系の人と同様に、耳から情報をインプットすることに向いていると言われている。
言語感覚系と聴覚系を合わせると全体の約7割(69.8%)に及び、オーディオブックを聴くなどの耳を使った学習が向いているビジネスパーソンが多いことがわかった。
4つの優位感覚について
●聴覚系
聴覚系の人は「聞く」ことを通して物事や情報を吸収し理解することが得意。逆に騒音があると集中できないので、勉強するときには静かな環境を整える必要がある。授業や講義などを活用する学習方法が効果的で、本などを声に出して読んだり、朗読したものを録音して聴くと頭に入りやすいという。
●言語感覚系
言語感覚系の人は「思考」を通して物事や情報を吸収し理解することが得意。誰かと話し合うことで、より理解を深めることができるタイプ。何かを記憶する際は、別のものと関連付けると効果的に覚えられるという。文章を書いたり、それを発表する機会があるとやる気になりやすい。
●触覚系
触覚系の人は「体感」を通して物事や情報を吸収し理解することが得意。実験やロールプレイなど、体験して学習すると効果が上がりやすいと言われている。何かを覚えるときには指でなぞるなど、体を動かした方が頭に入る感覚があるため、覚えなければならないことは、何度か実際に書いて覚えると効果的。
●視覚系
視覚系の人は「見る」ことを通して物事や情報を吸収し理解することが得意。ビジュアライズしながら学習すると効果的だ。学習を深めるためには、チャートやスライドなどの図が役立つ。具体的にはノートをまとめるときなどは蛍光ペンで色を付けたり、三色ボールペンを使うなどすると有効だろう。
関連情報
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構成/清水眞希