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説明できる?環境問題や生物多様性とも関連の深い「湿地」の定義と役割

2023.05.27

環境問題や生物多様性とも関連の深い「湿地」。しかし、湿地の定義や環境問題との関連性について説明できない人も多いはず。そこで本記事では、「湿地」の定義や役割、湿地に関する条約について解説する。湿地に生息する生物もぜひ併せてチェックしてほしい。

湿地とは

まずは「湿地」とはどのような場所を指す言葉なのか、その定義を解説する。湿地の役割や利点も併せてチェックしていこう。

湿気が多い土地のこと

湿地とは、物や空気の中に含まれている水分が多くじめじめしている土地のこと。また、湿地の特色として隣の陸地と異なる土壌の中に水分があること、湿って潤いのある土地に限って育つ植物が存在していることが挙げられる。

役割と利点

湿地は、降りすぎた雨を蓄え、乾季には蓄えていた雨を放出し、水不足を和らげる役割を果たしている。

内陸湿地である泥炭地や川の流域の湿った草原は、スポンジのように水分を吸収することで洪水や川の氾濫を防ぎ、海洋沿岸域湿地であるマングローブや塩性湿地、サンゴ礁は、海面が上昇して高潮になるスピードと高さを抑える。

さらに、湿地にいる植物は、水を飲めるように汚染物質をろ過したり、泥炭が積み重なってできた湿地は地上にある炭素の30%を貯蔵したりといった大切な役割を担っている。

湿地に関する条約と条約湿地の種類

国の湿地には、世界的な条約「ラムサール条約」で定められた国際的な基準に従って登録されているものがある。ここでは、その条約の概要と日本の中で代表的な湿地の種類を紹介する。

ラムサール条約とは

ラムサール条約は1971年2月2日に制定された湿地に関する条約(英語:Convention on Wetlands)で、イランの都市ラムサールで採択された。正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」だが、採択地の地名から「ラムサール条約」と呼ばれる。

ラムサール条約では、陸水域、および水深が6メートルを超えない海域または沼沢地、湿原、泥炭地などが湿地と定義され、条約によって指定された湿地は「ラムサール条約湿地」として国際的に重要な湿地に係る登録簿に登録される。

条約湿地1. 海洋沿岸域湿地

海洋沿岸域湿地とは、海面の昇降で海面の高さが極小になった状態の際に6メートルより浅い海域の湿地のこと。海に囲まれている日本ではよく見られる条約湿地の一つだ。

また、沿岸湿地の代表例としては塩性湿地、河口、マングローブ、潟、サンゴ礁などが挙げられ、生物の多様性が豊かな湿地と言われている。

条約湿地2. 内陸湿地

内陸湿地とは、湿原、泥炭地、河川、湖沼、湿原、オアシス、鍾乳洞、温泉などの湿地のことを指す。1970年以降、土地の開発や土地利用の転用による排水と埋立、汚染や魚の乱獲、気候変動によって、内陸湿地に生息する生き物の81%が減少している。

条約湿地3. 人工湿地

人工湿地とは、養殖池、水田、ダム、貯水池、塩田、沈殿池などの排水の水質浄化を目的として人工的に造られた湿地のこと。

近年、日本では省エネルギーかつ低コストで持続的に排水を無害化できる汚水処理法として、人口湿地が持つ、自然の力を利用した生態工学的な役割と物理的な処理「ろ過」が注目されている。

湿地に生息する生物

湿地には世界の40%の動植物種が生息しており、日本では四季を通じて植物や野鳥、水生生物、魚類などを観察できる。最後に、湿地にいる代表的な生物を確認していこう。

植物

湿地には、多年草のヨシや、泥の中に地下茎を長く張り巡らせるマコモなどの大型湿性植物が多く見られる。

野鳥・哺乳類

湿地周辺では、多くの種類の野鳥を観察できる。また、湿地にいる野鳥などの生物を狙ってタヌキやキツネが現れる場合もある。

魚・両生・爬虫類・昆虫

メダカやカエル、ヘビ、トンボやガムシなども湿地環境を好む。しかし、近年では外来生物による捕食が影響し、以前に比べてこれらの生物の種類は減少傾向にある地域も多い。

文/編集部

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