広域強盗事件をはじめ、全国で強盗や窃盗の事件が話題になっている。ソニー損害では、適切な火災保険の選び方や見直し方を多くの人に知ってもらうために、さまざまな情報発信を行っており、この度火災保険の盗難補償についての解説を公開した。
近年の窃盗件数は減少傾向にあるものの、悪質な手口が増加中
警察庁の発表(※1)によると、侵入窃盗の認知件数は平成15年から減少に転じ、令和4年は3万6,588件で前年比1.8%減と20年連続での減少となった。
このうち、住宅を対象とする侵入窃盗は平成16年から減少しており、令和4年は1万5,692件で前年比9.2%減と減り続けているが、未だに一日当たり約43件も発生しており、多くの住宅が被害に遭っている。
侵入窃盗の発生場所別の認知件数は、一戸建住宅が33.0%と最も多く、次いで一般事務所11.1%、生活環境営業(ホテル・旅館、深夜飲食店など)が8.1%となっている。
侵入窃盗の検挙件数と検挙人員は、平成15年以降、認知件数と同様に減少傾向にあり、令和4年の検挙件数は2万2,139件で前年比22.2%減、検挙人員は4,896人で前年比5.2%減とそれぞれ減少。
近年の侵入強盗事件の手口としては、宅配業者を装う、窓ガラスを破壊して住宅に押し入る等の悪質な事件が連続して発生しており、自身や家族の安全と財産を守るため、侵入犯罪の現状を確認しておくことが重要だ。
火災保険で盗難補償が受けられる!意外と知らない火災保険の盗難補償についての話
ソニー損保は、2020年〜2022年の3年連続で全国1,100の持家家庭に対して、災害リスクと火災保険に関する意識調査を実施。
その調査のなかで、現在加入している火災保険の補償範囲について聞くと、「盗難等による家財損害への補償に加入している人」は、2020年は21.0%、2021年は21.7%、2022年は23.4%と加入率が年々増加していることが分かった。
近年、手口が悪質化している盗難事件の報道等を受けて、消費者の防犯意識が高まっていることがうかがえる。
ソニー損保の新ネット火災保険では、基本補償として「盗難」に対する補償がある。強盗や窃盗(これらの未遂も含まれる)により建物や家財に損害を受けた場合に保険金が支払われる。(※2)
「建物」でこの補償を選択した場合は、空き巣などが屋内に侵入する際に壊した窓ガラスやドア錠などの損害も補償し、「家財」でこの補償を選択した場合は、現金なども一定の金額の範囲内で補償することも可能だ。
ものを盗まれるだけでなく、窓ガラスやドア錠などに損害を受ける可能性も踏まえ、補償範囲について検討する必要がある。
建物の補償例
被保険者が所有している「住居にのみ使用される建物」と、その建物に付属する門や塀などが保険の対象となる。
保険の対象の具体例
・畳や備えつけの収納などの建具
・建物に直接備え付けた電気やガス、冷房・暖房等の設備
・建物に直接備え付けた浴槽や流し、ガス台、調理台
・門、塀もしくは垣または物置、車庫やカーポートなどその他の付属建物
家財の補償例
保険の対象となる建物の中にある、被保険者または被保険者と生計を共にする親族が所有する家財が保険の対象。
保険の対象の具体例
・家具、家電製品、家庭用の食器、日用品
・絵画、骨董品、貴金属 (※3)
・自転車、125cc以下の原動機付自転車
※3 絵画、骨董品、貴金属等の損害の額が1個または1組について30万円を超える場合、損害の額を30万円とみなす。
実際に被害に遭ったときの保険金請求の手続き
盗難の被害に遭ったときは、まずはすぐ警察に連絡すること。盗難届の作成には、被害状況の詳細を報告する必要があるため、何が盗まれたのか自宅の被害状況を把握しているとスムーズ。
また、クレジットカードや通帳などが盗まれた場合は、各金融機関に連絡をして利用停止の手続きを行うことも必要だ。
盗難被害が分かったら、最寄りの警察署や交番に盗難届を提出することも大切。盗難届の受理番号は保険を申請する際に必要となるため、必ず控えておこう。
その後保険会社に連絡し、保険会社による現場確認調査が実施される。申請書類は主に保険金を請求するための書類と、事故内容を説明するための書類が必要となる。
保険金の支払いは、損害の額から自己負担額(設定している場合)を引いた額となり、書類のやりとりがスムーズに進めば、損害発生時から3~4週間程度を目安に保険金が支払われる。
盗難補償の範囲をQ&A形式で紹介!
こちらのQAはソニー損保の新ネット火災保険の補償内容を元に作成している。
Q. 空き巣に現金が盗まれた場合は補償される?
A. 現金の補償は20万円が上限となる。家財の補償プランを選択していれば現金の盗難も補償を受けることができるが、「建物」のみ補償のプランであれば、補償を受けることができないので契約時にしっかりと確認することが必要。
Q. 通帳やキャッシュカード、預貯金証書が被害にあった場合は?
A. 通帳やキャッシュカード、預貯金証書が被害にあった場合の補償は200万円または家財の保険金額のいずれか低い額を限度としている。
Q. 強盗にあった場合の補償範囲は?もしケガをした場合は?
A. 強盗によって建物や家財に損害を受けた場合は盗難補償の対象となるが、万が一、強盗によってケガをしてしまった場合の治療費は火災保険では補償されない。
Q. 宝飾品や美術品など高価なものは補償される?
A. 宝飾品や美術品などを盗まれた場合は、家財の補償対象となる。ただし高額貴金属等の損害の額が1個または1組について30万円を超える場合、損害の額を30万円とみなす。
Q. 保険金を受け取った後に被害にあったものが無事に見つかった場合は?
A. 保険金を保険会社から受け取った場合は、被害物の所有権は保険会社に移る。そのため被害物が発見された場合は、保険会社に無断で回収や処分をしてはいけない。愛着があり保険金よりも見つかった被害物そのものがよい、という場合も多くあるかと思う。そのような場合は、受け取った保険金を保険会社に返金すれば、所有権が戻ってくる。盗難物が見つかった際は、速やかに保険会社に連絡するようにしよう。
関連情報:https://www.sonysonpo.co.jp/fire
構成/Ara