衛星測位システムでスマホを選ぶ!
人工衛星は各国の思惑が絡むもので、真正面から書けばこの記事は極めて政治的な内容になってしまうだろう。
従って、ここは「衛星測位システムから見るスマートフォン・スマートウォッチ選び方」という話に着地点を見出したい。
冒頭にも書いた通り、「GPS」は普通名詞ではなく固有名詞。従って、「これから買う予定のこの製品はGPS以外の衛星測位システムに対応しているか?」という見方を持つ必要がある。
最近発売された機種であれば、スマートフォン・スマートウォッチを問わず米GPS、露GLONASS、欧ガリレオ、中国北斗、日本みちびきの5衛星に対応していることが当然と考えるべきだろう。
このあたり、通信会社のショップに行ってスマートフォンを購入する場合は注意が必要。
というのも、ショップのスタッフが「衛星測位システムはGPSだけではない」ということを理解していなかったりするからだ。最低限の知識を自分自身が持つ、ということでもある。
スマートウォッチは「魑魅魍魎の世界」
もっとも、スマートフォンについては今やローエンド機種でも5衛星に対応していたりする。
問題はスマートウォッチである。
上で「今やスマートウォッチも、iPhoneやAndroidのハイエンド機種と同じく5衛星測位システム対応が珍しくなくなっている」と書いてしまったが、スマートウォッチはスマートフォンよりも魑魅魍魎、妖怪跋扈の世界である。
良く言えば百花繚乱に製品が存在するということだが、「スマートウォッチ」と銘打っているもの全てが衛星測位システムに対応しているわけではないことをここで強調しておきたい。
中には広告やプレスリリースにすら衛星測位システムに対応しているかどうかを一切書かない製品もあるくらいだ。
「その製品の方向性が衛星測位システムを求めていない」と言われてしまえばそれまでだが、現実問題として位置測位機能のないスマートウォッチはその用途が限定されてしまう。
たとえばジョギングをする場合、「心拍数と歩数しか分からないもの」と「どこをいつ、何km走ったかが分かるもの」は雲泥の差。ダイエットの計画にも大きな違いが生じるだろう。
その上で、今装着しているスマートウォッチがみちびきにも対応していた場合、より正確な位置情報を知ることができるというわけだ。
海外出張を見越して
また、今後続々登場するであろうNavIC対応スマートウォッチは、インド方面への海外出張に必須の友となるはず。
パンデミックが終焉を迎え、再び国外との往来が活発になっている。その中でインドは今年、中国を抜いて人口世界一の国になる。
日本の企業のインド進出は件数が増えることはあっても減ることはまずないだろうし、インドへの視察や出張も頻繁に行われるようになるはずだ。
そうしたことを見越して、今のうちにNavIC対応製品を探しておくのも悪い判断ではないかもしれない。
【参考】
TicWatch Pro 3 Ultra GPS-Amazon
https://www.amazon.co.jp/TicWatch/dp/B09GF9RNWJ
Amazfit GTR Mini-Amazon
https://www.amazon.co.jp/Amazfit-GTR-Mini/dp/B0BYD7D5MD?th=1
Amazfit GTR 4-Amazon
https://www.amazon.co.jp/Amazfit/dp/B0BGWPFRKK?th=1
MediaNama
https://www.medianama.com/2022/11/223-india-smartphones-navic-support-gps/
取材・文/澤田真一