車は、豪雨や河川の氾濫、アンダーパス(鉄道や道路などの下を通過するために周辺より低くなっている道路)を通過した時などに水没してしまうことがあります。動かすことができなくなり水の中に沈んでいく車から脱出するためには、シートベルトを切り、ガラスを割って車外に出なければなりません。そこで必要になるのが自動車用緊急脱出ハンマーです。今回は、緊急脱出ハンマーの必要性や車に備えておく時の注意点などを紹介します。
自動車用緊急脱出ハンマーとは?
自動車用緊急脱出ハンマーは、車が水没した時や交通事故に遭った時などの緊急時にガラスを割って車から脱出する時に使うハンマーです。車のオプションとして用意されていたり、カー用品店やインターネットで購入したりできます。
自動車用緊急脱出ハンマーの種類は主に、ガラスを叩いて割る「ハンマータイプ」、ガラスを突いて割る「ピックタイプ」、ガラスに押し当ててスイッチを押して割る「ポンチタイプ」の3タイプです。
どのタイプでも正しく使うことでガラスを割ることができるため、車の収納スペースの大きさや使い勝手などに合わせて選びましょう。
また、ヘッドレストの金属部分や小銭を入れたビニール袋など身近な物でガラスが割れるといわれることもありますが、水の中でガラスを確実に割って脱出するためには、緊急脱出ハンマーの方が適しています。そのため、万が一の時のためにも2000円程度で購入できる緊急脱出ハンマーを用意しておいた方がよいでしょう。
緊急脱出ハンマーを使う時の注意点
自動車用緊急脱出ハンマーは、基本的にフロントガラス以外のガラスを割るためのアイテムです。フロントガラスには合わせガラスが使われているケースが多いため、緊急脱出ハンマーを使っても割ることが難しいです。そのため、緊急脱出ハンマーはドアガラス(サイドガラス)やリアガラスに使います。
また、車種によっては、ドアガラスにも合わせガラスを採用している場合もあるため、ガラスに書かれている表記で合わせガラスかどうかを判断しましょう。
車のガラスをよく見ると端にJISマークとアルファベットが表記されています。
JISマーク付近に「T」または「TP」の表記がある場合、強化ガラスであるため緊急脱出ハンマーで割ることが可能です。
しかし、JISマーク付近の表記が「L」または「LP」の場合は合わせガラスです。そのため、緊急脱出ハンマーで割ることができません。
このようにガラスに表記されているアルファベットで、合わせガラスか強化ガラスか判断できるため、いざという時のためにも、一度ガラスに書かれている表記を確認しておくとよいでしょう。
どのような自動車用緊急脱出ハンマーが最適なのか?
自動車用緊急脱出ハンマーには、脱出ハンマーのみのタイプやシートベルトカッター付きのタイプなど、様々な種類があります。
多くの緊急脱出ハンマーの中でも、おすすめなのはシートベルトカッター付きの緊急脱出ハンマーです。
運転中に水没したり事故に遭ったりした時は、シートベルトを切って車から出る必要があります。そのため、シートベルトを切ることができるシートベルトカッター付きの自動車用緊急脱出ハンマーが最適といえるでしょう。