多彩な6種類のインテリア 注目は“特別な個室”
現在活躍している特急「スペーシア」は、1990年に登場し、カーペット敷の車内に快適なリクライニングシート、温かい軽食や生ビールが購入できるビュッフェ(現在は営業終了)、そして個室など革新的な設備を盛り込んだ、東武鉄道のフラッグシップトレインだ。デビュー以来日光、鬼怒川を結ぶ特急列車として活躍している。
そんな「スペーシア」がさらに快適、ラグジュアリーに進化! 新型車両「スペーシアX」として、2023年7月、浅草〜東武日光・鬼怒川温泉にデビューする。
「スペーシアX」の売りはなんといっても多彩なインテリア。
現在の「スペーシア」は通常の座席のほか合計6室の個室があるが、「スペーシアX」はなんと6種類のインテリアを持つ。
その中でも最上位なのが「コックピットスイート」と呼ばれる、定員7名の〝特別〟な個室。なにが特別というと、部屋の位置にご注目。なんと車両の一番端、運転室の真後ろに位置しているのだ!
「コックピットスイート」がある6号車は浅草方なので、浅草行きで利用するとこの部屋が先頭になる。
ほかにも6号車には定員4名の「コンパートメント」も4室備える。
これまでの「スペーシア」の個室をアップデートし、コの字型ソファーと折りたたみ式の可変テーブルを設えた。グループ旅行はもちろん、小さな子ども連れでも周囲にあまり気にすることなく、列車旅が楽しめるのでおすすめだ。
シートタイプの車両は3種類
個室のほか、一般的なシートタイプの車両ももちろんある。「スペーシアX」ではJRの普通車にあたる「スタンダードシート」のほか、グリーン車相当の「プレミアムシート」を新たに設定。さらに5号車には2組限定の特別な座席「ボックスシート」がある。
3〜5号車にある、最も座席数の多い「スタンダードシート」は「スペーシアX」の中で最もポピュラーなシート。ただし、「多くの方がご利用になる分、かなりこだわって設計しました」とのことで、細部まで配慮が行き届く。
車窓を楽しむ窓はシート1列に対して1つあり、居住性とプライベート感を演出。座席背面の大型テーブルのほか、肘掛け内にも小型テーブルを備えているが、この小型テーブルはなんと鋳物で作られている。
続いて2号車「プレミアムシート」は、より広く快適な空間を演出するために2+1のシート配列となっているほか、後席に影響がない「バックシェル式」のリクライニング機構を採用している。これにより、心置きなく深いリクライニングを堪能することが可能だ。
JRのグリーン車にあたる「プレミアムシート」。どんなに深くリクライニングしても後席に圧迫感を与えない「バックシェル式」を採用
そんなリクライニング機構には電動式を採用。さらに自身の使い心地のよい形に変形できるネックサポート機構を持った可動式枕も搭載し、「スタンダードシート」とは異なる、ワンランク上のシートとなっている。
高さだけでなく、好きな形に曲げて使うことができるネックサポート式の可動式枕
加えて5号車の一部に2名定員の「ボックスシート」を用意。6号車のように戸はなく、半個室形式だが、横幅約80cmと、のびのびと座れるため、小さな子どもであれば横に座ることもできる。「ボックスシート」は2組しかない、ちょっとレアなシートだ。