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暗い場所での撮影性能は圧巻!ソフトの進化がすごい最新スマホ「Galaxy S23」の実力検証

2023.05.11

かゆいところに手が届く使い勝手のよさは健在、Sシリーズ初の機能も

 サムスンならではのカスタマイズが行き届いているため、使い勝手もいい。例えば、画面内指紋センサー。機能名だけでは差がわかりづらいが、Galaxy S23のそれは超音波式で、読み取りが非常に速い。カメラで指紋を認識するタイプのものは、指を当てる位置がシビアだったり、ロック解除までに時間がかかったりするが、Galaxy S23の指紋センサーは反応がよく、使いやすい。

指紋センサーは超音波式で、読み取りが速い

 Galaxy Sシリーズとしては初めてデュアルSIMやeSIMに対応したのも、見逃せないポイントだ。サムスン電子のフラッグシップモデルがeSIMに対応したのは、2022年後半に登場した「Galaxy Z Fold4」「Galaxy Z Flip4」から。昨年までのGalaxy Sシリーズは、物理SIMのみのシングルSIMだった。SIMを2枚組み合わせられるため、KDDIやソフトバンクが開始した「予備回線サービス」を利用できるほか、海外ローミング時に現地のSIMカードを入れるといったことも可能になった。

日本で発売されるGalaxy Sシリーズとしては、初めてeSIMに対応した

 コンパクトながら、5GはSub-6だけでなく、ミリ波にも対応している。昨年のGalaxy S22シリーズと比べ、対応バンドが増えている点も見逃せないポイントだ。レビューしたのはドコモ版だが、auやソフトバンクのプラチナバンドにもきちんと対応しており、他社回線だからといってつながりにくくなったり、速度が落ちたりする心配がなくなった。2つ(以上)の回線を使い分けたい人にも、選びやすい端末になったと言えそうだ。

 ビジネスユースでは、マイクロソフトのサービスがOSやアプリにきちんと統合されている点も評価できる。例えば、写真を管理するための「ギャラリー」は、クラウドサービスの「OneDrive」と同期できる。Windows搭載のPCとGalaxyを連携させる「Windowsにリンク」にも対応する。この機能を使うと、PC側からGalaxyを操作したり、クリップボードを共有したりといったことが可能になる。MacとiPhoneのような連携を、Windows PCとGalaxyでできるようになるというわけだ。

Windowsとの深い連携ができるのも、Galaxyの魅力。ビジネスユースにもうってつけの端末と言えるだろう

 一見するとマイナーチェンジにも思えたGalaxy S23だが、特にカメラ性能やバッテリーの持ちは大きく改善されていた。ディスプレイサイズの大きな端末に慣れていると、手のひらに収まるサイズ感も新鮮に感じる。最上位モデルのGalaxy S23 Ultraと比べるとややおとなしい印象もある一方で、完成度は非常に高い端末だ。コンパクトかつ王道のハイエンドモデルを求めている人には、いい選択肢と言えるだろう。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★★
持ちやすさ     ★★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★★
UI         ★★★★★
撮影性能      ★★★★★
音楽性能      ★★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
生体認証      ★★★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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