ドコモがスマホに蓄積されたデータを元に免疫力の変化を推定・予測する「免疫力推定AI」を開発

2023.05.12

NTTドコモは、スマートフォンに蓄積された生活習慣情報や位置情報などの利用許諾が得られたデータと気象データなどの公表データから、個人の免疫力変化を予測・見える化し、感染症対策に活かすことができる「免疫力推定AI」を開発したと発表した。

2023年11月から、ドコモが提供する自治体向けヘルスケアサービス「健康マイレージ」の機能として提供を開始する。

自治体向けヘルスケアサービス「健康マイレージ」で提供

「健康マイレージ」は、スマートフォンを活用した自治体向けヘルスケアサービス。「健康マイレージ」に含まれる各種機能により意識変動を起こし、行動変容につなげていくことが可能で、現在、利用者は60万人以上で、累計133の自治体(2022年8月末現在)が使用しているという。

今回発表された「免疫力推定AI」は、スマートフォンから取得できる睡眠情報、運動情報などの生活習慣情報や位置情報などを同意に基づき活用することで、スマートフォンを普段使いするだけで住民が意識せずとも簡易に免疫力の変化を推定・予測することができるというもの。

その推定・予測結果によるスコアリングおよび免疫力ケアに向けた推奨行動を、アプリ上で毎週情報提供することで、住民に気づきを与え、新型コロナウイルスやインフルエンザ、風邪などの感染症対策に資する自主的な意識・行動変容を促す。

また、自治体に対しては、住民の免疫力推定結果に基づき、スコアリング低減に影響を与えている生活習慣を特定し、その改善に向けたイベント誘導や健康指導を実施する、といった使途が想定できる。

なお、免疫力推定AIは、「IgA」というウイルスや細菌などさまざまな病原体が体内に侵入することを防ぐ「抗体」に着目している。IgAの分泌量が減ると病原体に感染しやすくなり、その分泌量は運動や睡眠などの生活習慣と関連している医学的事実が報告されている。

この事実に基づき、ドコモは、これまで培ったビッグデータ解析技術および機械学習などのAI技術をもとに、生活習慣情報等とIgAの日常的な変化との関係性を学習させることで、「免疫力推定AI」の開発を実現したという。

構成／立原尚子