シチズン独自の技術『エコ・ドライブ』 50年の歴史を彩る名機たち
シチズンが世界初のアナログ式光発電時計を開発したのは1976年。それは『エコ・ドライブ』と名付けられ、いまに至るわけだが…当時発売された腕時計がコレだ。
世界初のアナログクオーツ式太陽電池時計「クリストロン ソーラーセル」。当時の販売価格は45,000円と極めて高額だったものの、環境先進国ドイツでは好調な販売を記録したという。
ちなみに、76年の発売を前にプロトタイプが1974年に完成している。その貴重な写真もお借りした。
プロトタイプなのになんとも美しい。全てはここから始まったのである。
そもそもシチズンが、70年代に『光発電』に着目したのは何がきっかけだったのか?
「70年代はエネルギーを巡り激動した時代。機械式からクオーツ時計へのシフトが急速に進んでいた時代でもありました。当時のクオーツ時計は精度は高いものの、電池寿命は比較的短く、簡単に電池交換ができる環境も整っていなかったんです」
「そこで『市民に愛され、市民に貢献する』を企業理念とする弊社はこの課題にいち早く向き合い、当時、最新鋭で無公害なクリーンエネルギーであり、世界中のどこでも等しく降り注ぐ『太陽光』に着目。「定期的な電池交換が不要で環境に優しい時計を世に送り出したい」という想いで、光発電技術に着手したんです」
90年代には『エコ・ドライブ』金字塔モデルが登場
こうして始まったシチズンの光発電技術は80年代に入り加速度的に進化を遂げる。「日常生活でふつうに使っていても止まらない時計」をテーマに改良を重ねた結果、1986年、世界で初めてフル充電200時間駆動を実現するモデルを発表。
さらに約10年後の1995年には、現在の『エコ・ドライブ』につながる金字塔モデル「アテッサ・エコ・ドライブ」が誕生した。
リチウムイオン二次電池の登場により、エコ・ドライブの標準持続時間であるフル充電6ケ月を実現。そんな「エコ・ドライブ」は現在、電波時計やGPS衛星電波時計など様々な時計に搭載されるシチズンの基幹技術として世界中で活躍している。