『西班牙』は国名を意味する漢字ですが、正しく読むのが難しいため、読めない人も多いでしょう。西班牙の読み方を由来や意味とともに紹介します。さらに、西班牙の基本情報や文化、主な遺産、日本との関係についても確認し、知識を深めましょう。
西班牙の読み方とは?
『西班牙』の正しい読み方を紹介します。日常生活であまり使用する機会のない漢字ですが、読み方を知ることで漢字の知識を増やせます。国名や国旗の由来についても確認しましょう。
正しい読み方は「スペイン」
『せいはんが』と読んでしまいがちですが、西班牙は『スペイン』と読みます。1文字の略称は『西』です。
国名の漢字表記は、音読みの音を漢字に当てはめた『当て字』が一般的です。しかし西班牙は、中国語における表記が由来になっています。読み方は『シーバンニャ』と異なりますが、中国語での表記も同じく『西班牙』です。
もともとは、スペインを含むイベリア半島を指すラテン語の『Hispania(ヒスパニア)』が由来とされています。ヒスパニアという言葉が中国に伝わり、西班牙と漢字を当てはめたというのが通説です。
西班牙の国名や国旗の由来
英語での国名はスペイン(Spain)ですが、スペイン語では『エスパーニャ』と呼びます。ローマ時代に使われていた地名である『ヒスパニア』が由来です。
ヒスパニアの語源には、異なる二つの説があります。海岸地方を植民地とした古代カルタゴ人が『セファン(ウサギの国)』と呼んだという説と、古ラテン語の『ヒスペリア(西方の国)』を由来とする説です。
また、スペインの国旗は横に3分割した上部と下部が赤色で真ん中が黄色というデザインになっています。赤は建国や国を守るために流された血を表し、黄色は豊かさを表しているとされます。
黄色の部分の左側の部分には、五つの古王国の紋章や王冠、白い柱などを模した国章が配置されているのも特徴です。
西班牙について紹介
ヨーロッパ大陸に位置する国ということは知っていても、スペインが具体的にどのような国なのか知らない人もいるでしょう。スペインの基本情報や文化、観光スポットなどについて紹介します。
西班牙の基本情報
スペインの正式な国名は『スペイン王国』で、首都は『マドリード』です。ヨーロッパ大陸南西部のイベリア半島に位置しており、フランスやポルトガルと隣接しています。国土は日本の約1.3倍で、人口は約4,740万人です。
使われている主な言語は、スペイン語です。しかし、州によって使われている言語が異なり、バスク語・ガリシア語・カタルーニャ語・バレンシア語・アラン語なども各自治州の公用語とすることが、憲法で認められています。
約7割がカトリック教徒ですが、スペインでは宗教について信仰の自由が、憲法で保障されています。
西班牙の文化
スペインと聞くと、『フラメンコ』や『闘牛』を思い浮かべる人もいるでしょう。街中を牛と人々が駆け巡る『牛追い祭り』や、トマトを投げ合う『トマト祭り』も有名です。
日本でも知られている『パエリア』は、代表的な行事食の一つです。シーフードをふんだんに使ったパエリアだけでなく、山の幸や肉類を入れたものなど、地方や家庭によってさまざまなパエリアが食されています。
『シエスタ』という習慣も広く知られています。日照時間が長く日差しが強いため、ランチを食べた後に昼寝(休憩)をする習慣で、13時頃から16時頃までをランチタイムと休憩に充てるケースが多いようです。
しかし、どの企業でも取り入れている習慣というわけではありません。また必ず昼寝をするというわけでもなく、該当する時間に自由に過ごせばよいという習慣です。
多くの世界遺産が登録されている国
スペインには多くの歴史遺産があります。世界遺産の登録数が世界第4位であることからも、その多さが分かるでしょう。
中でも有名なのが、建築家アントニ・ガウディが設計した教会である『サグラダ・ファミリア』です。1882年にバルセロナで建設が開始され、140年以上経過した現在でも建設が続いています。
スペイン南部のグラナダにある、イスラム教徒の栄華を垣間見られる『アルハンブラ宮殿』は、アラブ様式と中世ルネッサンス様式が共存する、ほかに類を見ない宮殿です。
セビリアにある『セビリア大聖堂』は、世界で3番目に大きな大聖堂とされます。金で塗装された豪華絢爛な祭壇や、モスクの尖塔から鐘楼に転用されたヒラルダの塔などが有名です。
西班牙と日本の関係は?
スペインと日本の交流は、1549年に宣教師のフランシスコ・ザビエルが来日したことがその始まりです。長い歴史を持つスペインとの関係を紹介します。
1868年に修好通商航海条約を締結
スペインと日本が正式に外交関係を樹立したのは1868年です。江戸時代に鎖国政策が敷かれたことで、1624年にスペインとの国交が断たれました。
その後、1853年にペリー提督を乗せた黒船の来航をきっかけに、日本は再び開国し、1868年にスペインと『修好通商航海条約』を締結したのです。それ以降は、友好な関係が続いています。
また、スペインの王室と日本の皇室は互いの国を訪問するなどして、長年にわたり交流を深めてきました。今後もさらに絆を強めていくとされています。
日本からスペインへ行くには
日本から首都のマドリードまでは、直行便で行けます。所要時間は、往路・復路ともに約14時間です。
バルセロナへは直行便がないため、乗り換えが必要です。例えば、オランダ航空を利用しアムステルダム経由で行く場合は、往路は約15時間半、経路は約14時間半かかります。
スペインとの時差は8時間で、日本より8時間遅れています。スペインはサマータイムを採用しており、該当する期間は時差が7時間になるため、間違えないように注意しましょう。
構成/編集部