不正行為を見聞きするも告発しなかった人は74.4%
「見聞きした不正行為を内部告発したか」の質問に対し、74.4%が「いいえ」と回答した。
また、「いいえ」と回答した人に対し「なぜ告発しなかったのか」と質問したところ回答は、「自分が告発したことがバレるかもしれない」が最多で27.2%、次いで「問題に巻き込まれたくないから」(22.2%)が上位だった。不正行為と認知はしているものの、自身に何らかの被害が及ぶかもしれないという不安から内部告発ができない様子がうかがえる。
社内で不正行為を見聞きした場合の対応方法は半数以上の51.6%が「知らない・わからない」
「社内で不正を見聞きした際の手順や対応方法を知っているか」の質問に対し回答は、「知らない・わからない」が51.6%で、半数以上が把握していない実態が明らかになった。「手順がない」(14.8%)と合わせると、66.4%で約7割となり、内部通報制度の普及が急がれる。
不正が起こらないようにするために必要だと思う対応、1位は「不正防止マニュアルの整備」で42.7%
「不正が起こらないようにするにはどのような対応が必要だと思うか」の質問に対し回答は、「不正防止マニュアルの整備」(42.7%)、「内部通報制度の確立」(42.5%)、「社員研修」(41.4%)、「会計管理の定期的なチェック」(31.9%)が上位だった。通報者の匿名性を確保することや会計管理の透明化が求められていると考えられる。
約4割(38.4%)が勤務先で不正会計が問題になった経験あり
「現在または過去の勤務先で不正会計が問題になったことがあるか」の質問に対し38.4%が「ある」と回答した。およそ10人に4人の割合で、勤務先で不正会計が問題になった経験があることが判明。
見聞きしたことのある不正行為の詳細
見聞きした不正行為の詳細を自由回答で聞いたところ342件の回答が寄せられた。ここではその一部抜粋を紹介する。
・個人で行った飲食店の領収書を使って、経費として会社に請求していた。
・イベント運営側が、イベント主催者や参加者の意思を確認せずスタッフに命じてアルコールを開けさせ、売上アップを図ることが日常的に行われていた。誰が飲んだか分からないし、お祝い事の席ということもありクレームを入れる人間はいないという考えでこのようなことが行われていた。
・社員が個人的な買い物の領収を、経費で上げようとしていたので、注意すると、「みんなやっているし、これくらいしないと、小さな事務所だから、やっていけない」と言われた。上司も黙認していた。
・本人が申請した残業時間を少なく訂正し、退勤時間も合わせて調整。
・出入り業者に便宜を図る代わりにリベートを受け取る、実際には購入していない備品代を経理に請求して着服していた。
・売上金を着服し、部下の実績を取り消して補填していた。在庫数が合わなくなると一部の顧客に水増し請求していた。
・アメリカの支社で売上が出てないのにあたかも売上が出ているかのように書類が作られていた。
・経理財務担当の元役員が、数十年に渡り毎月給与を水増し、自己名義の銀行口座に金銭を振り込み着服。金額は数億円。
<調査概要>
調査名:会社内のお金に関する不正行為の実態調査
調査方法:インターネット調査(Surveroidを利用)
調査対象:全国21~59歳企業で働く男女
有効回答数:539人
調査実施期間:2023年03月15日〜2023年03月22日
出典元:株式会社マルチブック
構成/こじへい