日常生活で滅多に使うことはありませんが、国名には漢字表記があります。その一つである『新嘉坡』は、何と読むのでしょうか?正しい読み方と併せて、由来や意味も紹介します。新嘉坡の基礎知識や観光名所、食文化についても見ていきます。
新嘉坡の読み方とは?
何となく推測できても、『新嘉坡』を正しく読めるか自信のない人もいるでしょう。難解な新嘉坡の読み方を知れば、漢字表記で表す国名の知識を少し増やせます。
正解は「シンガポール」
新嘉坡の正しい読み方は、『シンガポール』です。日常会話ではシンガポールと呼ぶのが一般的ですが、国の正式名称は『シンガポール共和国』です。
シンガポールは、マレー半島の南端にあるシンガポール島と、50以上の属島からなる多民族国家です。シンガポールは国名であるだけでなく、中心地のシンガポール市の名称でもあります。
シンガポールは小さい国なので、日本の都道府県のような地方自治体がなく、行政区分上は、国全体が都市に分類されます。便宜上、シンガポール市が首都と呼ばれますが、実際には首都が存在しない都市国家です。
新嘉坡の国名や国旗の由来
国名や国旗には、その国を象徴するようなエピソードや由来があります。シンガポールの国名や国旗には、どのような意味があるのでしょうか?それぞれの由来について紹介します。
由来は「ライオンの町」という言葉
シンガポールは、インドの古代語であるサンスクリット語の『シンガプラ』が由来です。シンガはライオン、プラは町や都市を意味し、『ライオンの町』という意味があります。サンスクリット語が語源なのは、東南アジアが古くからインドの影響を受けてきたためです。
ライオンの町と呼ばれるようになったのは、スマトラの王子『サン・ニラ・ウタマ』がシンガポールを発見した際にライオンを見たという伝説が由来です。しかし、実際にはライオンではなく、トラであった可能性が高いとされています。
赤と白で表現された国旗
シンガポールの国旗は、上半分が赤色で下半分が白色になり、赤い部分の左側に三日月と五つの星が描かれています。赤は『多民族である国民の友好と平等』、白は『純粋性』を表現し、三日月と星はイスラム教のシンボルです。
五つの星は『民主・平和・平等・進歩・公正』を示し、三日月は五つの星が表す理想に向かって、国が発展していくことを意味しています。シンガポールでは愛国の象徴として国旗が重視され、独立記念日が近づくと、赤と白の洋服を着たり、国旗を持って登校したりします。
新嘉坡の情報をチェック
シンガポールは、どのような国なのでしょうか?基礎知識や人気の観光スポット、食文化などを紹介し、日本との関わりについても見ていきます。
新嘉坡の基本情報
シンガポールの面積は東京23区とほぼ同じです。狭い国土に約569万人(2020年現在)が暮らしており、人口密度が高いことで知られています。
国家を代表する言語はマレー語ですが、多民族国家であるため、英語・中国語・タミール語も公用語です。家族とはマレー語、学校や職場では英語を話すというように、2種類以上の言語を話す人は珍しくありません。
宗教も仏教・イスラム教・キリスト教・ヒンズー教など多様で、レストランでは、各宗教の決まりに従ったメニューが提供されています。
新嘉坡といえばマーライオン
シンガポールのシンボル的存在なのが、『マーライオン』です。マーライオンは、ライオンの頭部と魚の体を持つ伝説の動物です。
マーライオンの像は公式には7体あり、中でもマーライオン公園にある、口から水を吹き出す高さ8.6mのマーライオン像が有名です。テレビや雑誌などで目にした人もいるでしょう。ライトアップされた夜のマーライオンを鑑賞するのもおすすめです。
ほかにも、絶景のプールが名物の『マリーナ ベイ サンズ』、夜の動物を楽しめる『ナイトサファリ』、巨大植物園『ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ』など、観光名所には不自由しません。
多民族性を反映した新嘉坡の食文化
シンガポールの多民族性は、食文化にも反映されています。例えば、日本でも見かける『シンガポール・チキンライス』は国民食の一つで、中国料理が由来です。
伝統料理の『シンガポールラクサ』はマレー系の料理で、見た目は中国の麺料理のようですが、ココナッツミルクやスパイスが効いたエスニック風の味が特徴といえます。
インドカレーに中国で食されている魚の頭が入った『フィッシュヘッドカレー』も人気です。シンガポールでは、マレー料理・中国料理・インド料理など、さまざまなジャンルの食文化を楽しめます。
新嘉坡と日本の関係は良好
日本からシンガポールへは直行便で約7~8時間ほどの距離で、時差は約1時間です。シンガポールと日本の国交樹立は、シンガポールがマレーシアから独立した翌年の1966年4月26日です。1970年後半以降の工業推進化の際には、日本の経験や技術が参考にされています。
2002年には、貿易・投資・金融・情報通信など幅広い分野において、経済連携を強化するための『日本・シンガポール新時代経済連携協定』が結ばれました。二国間で政治や外交面で特に問題はなく、現在まで友好的な関係を築いています。
構成/編集部