設置工事不要で、キッチン以外の場所にも置ける水タンク式の登場で、食洗機が一気に身近な家電になってきた。手洗いよりも大幅に節水ができ、家事の時短化も実現。ベストな1台を探していこう。
タンク式食洗機
CHECK POINT
【1】奥行きと扉
意外に場所をとる奥行き。扉を開いたサイズも確認。
【2】水流
汚れを落とすために工夫された洗浄方式をチェック。
【3】収納
一度に洗える食器+小物類の数は購入の目安となる。
【4】タンク
水を入れるタンクの位置、注ぎやすさ、容量を見る。
家電ライター
藤山哲人さん
家電を使い込んで比べる体当たり家電ライター。『マツコの知らない世界』でも有名人。
編集・チバ
仕組みや利便性の分析に長けた理系編集者。タンク式食洗機の実力に食指が動いた。
藤山 この5台はどれもタンク式ですが、自動給水できる分岐水栓にも対応したハイブリッドタイプです。
チバ 何を基準に選ぶといいですか?
藤山 まずは本体サイズ。タンク式は、大きいので、事前に確保した場所に収まるかどうかは調べておきたいですね。
チバ 洗浄力も重要ですよね。
藤山 う~ん。私の経験では洗浄力はさほど変わらず、洗剤の力によるところが大きい。油汚れに強い洗剤を使えば、どの製品も見事に油が落ちます。
チバ 初耳です。断言して平気ですか。
藤山 大丈夫です(笑)。浄水器でカルシウムやミネラルを落とした水道水を使うのもおすすめ。グラスはバーテンダーが磨いたようにピカピカになります。
チバ 今回のNo.1を教えてください。
藤山 総合力では、パナソニックの『NP-TSP1』ですね。ドアが上に開くので、奥行きが前開き式よりスリムです。
チバ 給水口が前にあり注ぎやすい。
藤山 小物がプカプカ浮かないかごがあり、食器が倒れにくいようピンの長さや形状も工夫されています。音も静かで、夜間に運転しても気になりません。
チバ その他のモデルはどうですか。
藤山 基本はしっかりしています。デザインならシロカ。コスパならサンコーとマクスゼン。給水がラクなのはエスケイジャパンですね。
ドアを開いても奥行きを取らない パナソニック『食器洗い乾燥機 NP-TSP1』オープン価格(実勢価格約8万8000円)
奥行き約34.1cmの超スリムデザインで約4人分の食器を一度に洗浄する。ドアが上に開く開閉に場所を取らない「リフトアップオープンドア」を採用。汚れのレベルでコースが選べ、温風乾燥のみでも使える。
サイズ:W55×H60×D34.1cm
【CHECK 1】
奥行きが36.7cm以上あれば、ドアを開いても水栓の蛇口に当たりにくい。
【CHECK 2】洗浄全コースで除菌ができる「ストリーム除菌洗浄」を搭載!
「全コースで、50℃以上の高圧水流で食器を洗いながらしっかり除菌もできます」(藤山さん)。耐熱温度60℃以上のプラスチック製食器にも対応。
【CHECK 3】小さいシリコンカップも入る可動式中段かごを外すとより広く使える
食器が倒れにくい新形状のピンを採用。片手鍋やフライパン、まな板、包丁も収まる。「ロンググラスやマイボトルをセットしやすい長いピンも便利」(藤山さん)。
【CHECK 4】いつもの姿勢のまま水をこぼさずに注げるワイドな給水口もワザあり!
正面下に設置された幅広でこぼれにくい給水口。「天面口よりも注ぎやすい」(藤山さん)。お手入れモードでタンク内の掃除もラクチンだ。
〈FUJIYAMA’S EYE〉奥行きを抑える「リフトアップオープンドア」が秀逸。かごの形状から給水口まで使いやすい工夫もすごい。
※モーター消費電力/50Hz/60Hzによる