持ち家派の約9割はマイホームでの老後生活をおすすめしたいと回答
持ち家に住む年金受給者300名に対し、「老後に持ち家で生活することをおすすめしたいですか」と質問したところ、「とてもそう思う」が28.7%「ややそう思う」が61.0%となり、約9割が持ち家での老後生活をおすすめしたいと思っていることがわかった。
一方、賃貸に住む年金受給者300名に対し、「老後生活に賃貸住宅で生活することをおすすめしたいですか」と質問したところ、「とてもそう思う」が7.7%、「ややそう思う」が50.6%となり、約6割が賃貸住宅で老後生活をおすすめしたいと思っていることがわかり、持ち家派と比較すると低いことがわかった。
賃貸派の3割以上は高齢が理由で引っ越しづらい“老後の住宅難民”問題を懸念
賃貸に住む年金受給者300名に「賃貸で懸念していたこと」について質問したところ、32.7%が「高齢で契約更新できない可能性があること」、31.0%が「高齢が理由で賃貸契約を断られる可能性があること」を懸念していることがわかった。
一方、「年齢を理由に賃貸契約を断られた経験はあるか」質問をしたところ、3.3%の人が「ある」と回答。実際に高齢が理由で引っ越しがしにくい“老後の住宅難民”問題に直面している人がいることがわかった。
マンション購入者の7割以上が大規模修繕費用の値上げを経験
近年の高齢化や工事費の上昇により、マンションの大規模修繕の積立金不足が深刻な問題になっている。
政府は、老朽化マンション修繕促進のため、一定の条件で修繕を行った場合に固定資産税を軽減する「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置」を2023年4月に新たに創設した。
※出典:「マンション長寿命化促進税制が創設されます!~マンションの長寿命化工事の実施に向けた管理組合の合意形成を支援します~」(国交省、 2022年)
カシワバラ・コーポレーションは、年金受給者のうちマンション購入者150名に対して、「マンションの大規模修繕」についてアンケートを行った。「マンションの大規模修繕費の値上がりの経験をしたことがあるか」と質問したところ、70.7%の人があると回答し、多くの年金受給者がマンション大規模修繕費の値上げを経験していることがわかった。
また、「修繕積立金の値上げは避けられないと感じているか」について質問したところ、「とてもそう感じる」が34.7%、「ややそう感じる」が52.7%となり、合計87.4%の人が避けられないと思っていることが判明。大多数が大規模修繕の値上げについて諦めていることがわかった。
年金受給者のうちマンション購入者150名に対して「4月から一定の条件を満たすマンションの大規模修繕工事に減税が適用になる税制改正を知っているか」と質問したところ、78.7%の人が「知らない」と回答し、大規模修繕を後押しする減税措置の認知度は低いことがわかった。
また、「次の大規模修繕工事の予定を知っているか」と質問したところ、43.3%が「知らない」と回答し、大規模修繕に対する意識が低い実態が明らかになった。
※カシワバラ・コーポレーション調べ
<調査概要>
調査内容:老後の住まいに関する実態調査 / 大規模修繕に関する実態調査
調査期間:2023年3月31日(金)から4月3日(月)
調査対象:65歳以上の年金を受け取っている男女600名
調査対象内訳:持ち家/マンション、持ち家/戸建て、賃貸/マンション、賃貸/戸建ての各150名
調査方法:インターネット調査(シグナルリサーチ)
構成/こじへい