銀行の運用商品ラインアップは?
iDeCoで人気を集めるSBI証券、楽天証券は、運営管理手数料が無料であるだけでなく、投資する運用商品の運用にかかる手数料が低いことでも人気なようだ。
iDeCoは拠出した掛金を主に外国株式、日本株式、外国債券へ投資する投資信託またはそれらをバランスよく投資した投資信託を選択して投資する。元本保証の定期預金を選択することもできるが、iDeCoの管理手数料が高いことから投資による運用益を出さないことにはもったいないため、急落しそうなときなど一時的に置いておく場合以外基本は投資信託で運用するのがおすすめだ。
iDeCoで選択できる投資信託には買付手数料はかからないが、運用中に日々信託報酬が引かれている。信託報酬は年率で表され、その率が低い方が長期で運用するときの利益を減らさずに将来の利益を大きくできる。下がっているときも日々引かれるため信託報酬が低いことでできるだけ減らさないようにすることができる。
手数料が低いことで人気のeMAXIS Slimは、例えば国内株式(TOPIX)の信託報酬は0.154%(税込)以内と非常に低い。同じTOPIXのインデックス運用をしている運営管理手数料無料の銀行が取り扱う運用商品の信託報酬を比較してみる。運用はTOPIXの指数の値動きと同じように動くように運用されているため、運用内容はeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)とほとんど変わらない。
■TOPIXインデックス運用商品と信託報酬
・りそな銀行「Smart-I TOPIXインデックス」信託報酬0.154%(税込)以内
・みずほ銀行「One DC 国内株式インデックスファンド」信託報酬0.154%(税込)以内
・イオン銀行「One DC 国内株式インデックスファンド」信託報酬0.154%(税込)以内
上記のようにネット証券で手数料が低いと人気のeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の信託報酬と全く変わらない。iDeCoの運用商品は基本的に手数料の低いインデックス型(対象とする指数の値動きと同じ動きになるよう運用)投資信託で、運用内容にも差が付きにくい。
運営管理手数料が無料であるなら、ネット証券とそこまで手数料面で変わらない。
この場合、自分が相談して決めたいか、またはネットで相談せずに自分の好きなように運用したいかなど、手数料以外の面でiDeCoの金融機関を選ぶことができる。
iDeCoの加入者対象拡大
・DC加入者(マッチング拠出不可のDC)
・国民年金の任意加入者、会社員・公務員で、60歳以上65歳未満
・海外居住の国民年金任意加入者
2022年10月より企業型確定拠出年金DCに加入していた人は、iDeCoに加入できなかったところ加入できるようになった。ただし、DCで自己拠出(マッチング拠出)が可能な場合はこれまで通りiDeCoには加入不可でDCで自己拠出(マッチング拠出)する必要がある。
また、60歳以上でも国民年金に任意加入または会社員・公務員であれば、引き続き拠出して老後に備えることが可能となった。
iDeCoは手数料が様々かかるのがデメリットであるが、できるだけ手数料の低い金融機関を選んで長期のランニングコストを抑え、老後に備えておくことがおすすめだ。
(参考)
日経新聞2023年3月1日 iDeCo加入者、SBIと楽天が過半数に 早期に囲い込み
文/大堀貴子