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SBIと楽天の牙城を切り崩せるか?大手銀行で加速するiDeCoの管理手数料無料化

2023.05.06

国民年金等公的年金の補完として使えるiDeCo。iDeCoには手数料がかかり、金融機関ごとに運営管理手数料は異なる。運営管理手数料が無料であるネット証券に人気が集まっているが、最近では無料化する銀行も増えてきている。

iDeCoの手数料の仕組み

iDeCoは、拠出した掛金が全額所得控除することができるため、所得税と住民税を減らすことができる。そして、運用で得られる利益は全て非課税となる。受取時には、一括受取なら退職所得控除、年金形式で受取なら公的年金等控除の適用を受けられる。一方で、運用方法のなかでは比較的手数料が高い方に入る。さらに、一度始めると基本的には引出しできず、預けている間は絶えず手数料がかかることに注意が必要だ。

iDeCoはまず加入時またはDCや他の金融機関からの移管時に2,829円の手数料が初回にかかる。掛金を拠出し運用をスタートすると、毎月171~571円程度(年間2,052円~7,052円程度)かかる。この手数料は毎月の掛金から控除される。もし、30年積み立てるのであれば手数料は6~21万円ほどになる。一方で、運用益が非課税になるNISAではそのような管理にかかる手数料はないため、iDeCoには手数料が継続的にかかることを留意のうえ始めた方が良いだろう。

そして、この手数料は掛金の拠出をやめる運用指図者となっても年間792~5,792円程度かかり、拠出をやめたとしても基本的に運用資金は引き出すことができない。

iDeCoの手数料には、国民年金基金連合会、信託銀行、金融機関に支払う手数料があるが、このうち金融機関に支払う運営管理手数料については金融機関ごとに異なり無料となっている金融機関もある。その他の国民年金基金連合会と信託銀行に支払う手数料についてはどの金融機関でiDeCoに加入しても同じ金額かかる。

なお、上記以外にも移管の際には移管前の金融機関へ移管時の手数料を支払う必要があり、将来受取の際には受取1回につき440円かかる。

銀行が続々と無料化

iDeCoの金融機関は変更可能だが、移管時に移管前の金融機関と移管後の金融機関で合わせて1万円弱の手数料がかかり、さらに運用していた商品は一度全て売却しなければならない。さらに、移管手続きは書類手続きとなり、移管には1ヵ月超かかるため、移管は容易ではない。そのため、最初の金融機関選びは重要だ。

これまで、運営管理手数料が無料であるのはネット証券がほとんどであったため、iDeCoが長期に手数料がかかり続けることから、iDeCoにはネット証券が最適であると考えられた。

実際に、運営管理手数料無料のネット証券大手SBI証券と楽天証券は加入者全体で51%と、過半数を占めている(2022年12月時点)。

しかしながら、最近では大手銀行でも運営管理手数料無料のところが出てきた。

ネット証券に対し、銀行は相談できるのが最大のメリットだ。近くに窓口のある銀行でいつも行っているところであれば気軽に相談しやすい。

iDeCoの節税効果の内容、運用商品の選択方法などはやはり直接相談した方が安心だと考える人も多い。運営管理手数料が無料であればネット証券と手数料の面では変わらないため、銀行もiDeCoの選択肢に入ってくる。

<運営管理手数料無料の銀行例>
・りそな銀行
・みずほ銀行条件付き無料
(条件:掛金を拠出、メールアドレス登録、SMART FOLIO<DC>目標金額登録の3つを達成)
・イオン銀行

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