例年5月の下旬頃から湿度が上昇しはじめ、9月の終わり頃までは全国的に湿度70%を越える日も多くなる。気象庁によると、2023年の関東地方の梅雨入りは6月7日頃の見込みだという。
そんな季節の悩みの種といえば、洗濯物だ。
ただでさえ不快指数が高いのに、せっかく干した洗濯物もなんだかジメッとしていて爽快感が感じられない…なんて人も少なくないだろう。
そこで今回は、毎年やってくる梅雨に向けた洗濯のライフハックをご紹介する。異例の洗濯ユニット「洗濯ブラザーズ」直伝の生乾き臭撃退法もあるので参考にしてもらいたい。
梅雨の部屋干し臭(生乾き臭)はなぜ起こる?
梅雨時期に洗濯物が臭うのは部屋の中に干すせいだと思われがちだが、実は「部屋干し」自体は直接的な原因ではない。
本当の原因は、室内に干すことで洗濯物が乾きにくくなり、雑菌が繁殖することだ。梅雨時期に洗濯物の臭いが気になる人が多いのは、湿度が低い秋や冬に比べて洗濯物が乾きにくいことにある。衣類やタオルに潜んでいる雑菌は、湿気のある環境を好む。そのため、部屋干しの洗濯物が濡れた状態のまま長時間経過すると、雑菌がどんどん繁殖し嫌な臭いを放つようになるのだ。
加えて気温が高く汗をかきやすい季節でもあるため、皮脂汚れが残りやすいのも一因だ。洗濯は衣類に付着した汚れや汗を落とすために行うものだが、汚れや汗がきれいに落としきれずに残ってしまうとこれもまた雑菌=臭いの原因になる。
極端な話、洗濯物を外に干していたとしても、長時間生乾きの状態が続けばいわゆる部屋干し臭(生乾き臭)が発生することはあり得るのだ。
「洗濯ブラザーズ」直伝!梅雨の生乾き臭撃退法
では、洗濯物が乾きにくい季節でも嫌な臭いを発生させないようにするにはどうすればいいのだろうか?
そりゃプロがきちんとした機械を使えばきれいに洗濯できるだろう、とお思いの人もいるかもしれない。しかし洗濯ブラザーズが主に発信しているのは、家庭でも真似できる “工夫” や “習慣” なのだ。
彼らの著書によると、洗濯物の9割以上は自宅で洗うことが可能だという。洗濯ブラザーズ式の洗濯術をマスターすれば、クリーニング代を大幅に節約することだってできるかもしれない。
というわけで、日本一の洗濯屋との呼び声高い洗濯ブラザーズに、梅雨の生乾き臭対策と家庭での洗濯のコツについて伺ってみた。ちょっとした工夫や日々のひと手間で改善できることばかりなので、ぜひ参考にしてもらいたい。
洗濯物の生乾き臭を防止するには何よりまず洗濯槽を清潔に保つことが重要というのは本当ですか?
はい、臭い対策には「洗濯槽の掃除」が大切です!
生乾き臭の主な原因は「モラクセラ菌」などの雑菌です。これらの菌は、洗濯槽の裏側に棲みついています。洗濯槽を定期的に洗わないと、汚れた洗濯槽で洗濯物を洗うことになってしまいます。
洗濯槽の掃除の正しいやり方や、梅雨時期のメンテナンスの注意点などがあれば教えてください。
特に湿気の多い春夏は菌が繁殖しやすいので、この時期は月に1回は洗濯槽の洗浄をしてください。秋冬は3か月に1回の洗浄が目安です。
また、洗濯機のフタを常に閉めている方がいますが、これでは湿気がたまりやすくなって菌が繁殖しやすくなります。洗濯が終わったら常にフタを開けることをおすすめします。
定期的に洗濯槽を洗浄することが重要なんですね。梅雨時期は部屋干しをする機会が多いかと思いますが、できるだけニオイを発生させないために家庭で簡単に真似できるような洗濯方法はありますか?
まず洗濯方法ですが、以下のようなことに気をつけてみてください。
①たっぷりの水で洗うこと
洗濯機の自動設定は、だいたい「節水モード」になっています。たっぷりの水で洗わないと汚れが落ちきらなかったり、洗剤が残ったりして、臭いの原因になってしまいます。洗濯物の量の目安としては、縦型の場合は水の量に対して6割程度。ドラム式の場合は洗濯機の窓の半分までです。
②水と洗剤は事前に混ぜること
水と洗剤をちゃんと混ぜないと、洗剤の濃度がバラバラ(濃いところと薄いところが出てしまう)になるためしっかり洗いきれません。また、洗剤が衣類に直接触れるのは衣類にとってよくないんです。
縦型の場合は、水をためてから洗剤を入れてよく混ぜましょう。それから洗濯物を入れてください。ドラム式の場合は、事前にペットボトルなどに洗剤とお水を1対1の割合で混ぜておき、混ぜたものを洗剤ポケットに入れてください。
③洗剤を多めに入れるのはNG
洗剤を多く入れたからといって、汚れが落ちやすくなるというのは間違いです!多く入れるとかえって泡立ちがよくなり、泡が汚れを守ってしまい汚れが落ちにくくなる場合があります。また、洗剤が衣類に残ったままになると黄ばみなどの原因にもなります。ですので、洗剤の量は洗剤の裏面に記載されている量を守りましょう。