インターネット上に構築された3次元の仮想空間「メタバース」。
エンタメ分野のみならず、ショッピング、教育、医療など様々な分野に活用されているこの新たなテクノロジーについて、ゲーマーはどれくらい認知し、体験しているのだろうか?
ゲームエイジ総研はこのほど、何らかのゲームをプレイしている全国の15~59歳の男女2880名を対象に「メタバース」に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。
21年7月の調査時より「メタバース」の認知は大きく増加。ゲーマーの71.8%が認知
まず、ゲーマーの「メタバース」認知率の変化を見ていく。
今回の調査では、「メタバース」というワードを聞いたことがあると答えたゲーマーは全体の71.8%だった。2021年7月の調査では4.6%、2022年2月の調査では32.1%のゲーマーが認知していたので、ゲーマーのメタバースに関する認知度は飛躍的に上昇したと言えるだろう。【グラフ①】
地上波のテレビや、雑誌、書籍、ネットニュースなど、様々なメディアで「メタバース」が取り上げられており、ゲーマーの中でも認知が広がったものと考えられる。
「メタバース」を体験したことがあるゲーマーは認知者の5.6%に留まる
次に、「メタバース」の体験率の変化を見ていく。
今回の調査では「メタバース」を体験したことがあると答えたゲーマーはメタバース認知者の5.6%だった。
2021年7月の調査では認知者の20.7%が体験しており、比較的認知しているゲーマーの4人に1人は体験している傾向が見られたが、2022年2月の調査、今回の調査ともに約6%程度の経験なっており、体験までには至らないゲーマーが多くを占めていることがわかる。【グラフ➁】
認知が大きくなったため実際の体験者の数は増えているのだろうが、まだまだ認知した多くのゲーマーが、どんどん体験し始めているというほどの高い普及状況にはなっていないのが現状のようだ。
最新技術が使われているメタバースに興味があると答えたゲーマーが26.5%
それでは、ゲーマーはどのような体験ができるメタバースに興味を持っているのだろうか。
どのような体験ができるメタバースを利用してみたいか聞いたところ、最も多かったのが「最新技術が使われている」メタバースで26.5%だった。常に新しい技術から生まれるゲームというエンターテインメントに慣れ親しんでいるゲーマーは、やはり最新技術に強い関心があると言える。
次いで、「実際にはないファンタジーな世界」のメタバースを利用したいと答えたゲーマーが23.7%だった。「バーチャルでしか体験できないような非現実的な自分に出会える空間の実現」(31歳/男性)や、「リアルとはかけ離れた世界」(54歳/女性)といったように現実ではできない体験ができるメタバースに興味を持っているのは、ゲーマーならではと言えるのではないだろうか。
さらに、22.2%は「国内・海外旅行に行った感覚になる」メタバースを利用したいと回答しており、「世界一周の旅が体験したい」(15歳/女性)、「世界旅行をリアルに体験できる」(17歳/女性)といったように、現実世界ではなかなか難しい世界旅行のような体験をしてみたいという意見が見られた。
一方で、「商売・ビジネスができる」と答えたのは8.0%に留まり、ゲーマーはNFTやブロックチェーン技術を使った“稼げるメタバース”にはあまり興味を持っていないことがわかった。【グラフ③】
今後メタバースに期待することとして、「手軽に体験できるメタバースなら触れてみたい」と答えたゲーマーも多く、「手軽に、簡単に誰もが楽しめるようになればいいなと思います」(29歳/女性)や、「必要な機材が安く手に入るようになってほしい」(39歳/男性)などの意見が挙げられたことから、“体験するのは準備が必要で大変だ”というイメージが伴うようだ。
<調査概要>
調査対象:全国15~59歳男女、何らかのゲームをプレイしている人
サンプル数:2880
調査時期:2023年3月
調査手法:インターネット調査
出典元:株式会社ゲームエイジ総研
構成/こじへい