他者の失敗の後始末をすることを表す俗語に「ケツを拭く」がある。最近話題のおっさんビジネス用語としても知られているが、使用シーンや使う相手には注意が必要な言葉でもある。
そこで本記事では、「ケツを拭く」の意味や例文、注意点や言い換え表現について解説する。英語を使う機会の多い方は、英語表現も併せて確認しておこう。
ケツを拭くとは?
まずは、「ケツを拭く」の言葉の意味と語源について確認していこう。
意味
「ケツを拭く」は、他人の失敗などの後始末をすることを意味する。失敗をした本人ではなく、その失敗の後始末をする他者が、良くない意味で使われることがある俗語だ。また、「尻拭い」と言い換えることもできる。
由来
「ケツを拭く」の語源は、文字通り排便した後のお尻の周りの汚れを拭き取り、綺麗にする動作だ。そこから転じて、「(本来なら本人が負うべき)責任を他者が肩代わりする」ことの意味で使われるようになったと言われている。
ケツを拭くの使い方
ここからは、「ケツを拭く」の例文と使用時の注意点を紹介する。誤った使い方をしないように適切な使い方を確認しておこう。
例文
「ケツを拭く」は、友人や同僚など親しい間柄同士で用いられるビジネス用語。具体的な例文は、以下の通りだ。
【例文】
「もうこれ以上、僕にケツを拭かせないでくれ」
「なんで私はいつも彼女のケツを拭かなきゃいけないの?少しは、責任感を持ってほしいな」
「上司にケツを拭かせないで、自分の失敗は、自分で後始末できるように努力していきたい」
使用時の注意点
「ケツを拭く」は、名前の通り、下品な印象に捉えられるくだけた表現のため、使う相手や場面を見極める必要がある。特に、フォーマルな場や社外での使用は避けた方が良いだろう。
類義語
ここからは、「ケツを拭く」の類義語と例文を紹介する。「尻拭い」「尻を拭う」は、どちらもケツを拭くの同義語で、他人の失敗の後始末をする、本人が負うべき責任を肩代わりすることを表す言い換え表現だ。時と場合に応じて、失礼な印象を与えないように、正しく使い分けられるようにしておこう。
尻拭い
【例文】
「両親は、自分が道から外れないように失敗しても尻拭いをしてくれる。ありがたいことだが、これからは、自分の言動に責任を持って、自立した大人になれるように努力していきたい」
「病気で突然に休職して、後任者への引き継ぎが十分にできなかったのに、至らない部分を尻拭いしてくれてありがとう」
尻を拭う
【例文】
「教室の掃除中にふざけていたら、棚の上の花瓶を割ってしまった。学級委員のあさこちゃんが尻を拭ってくれたので助かった」
「A君が業務中にミスをして、課長に尻を拭ってもらうことのないように、私が注意します」