SNSを中心に話題となっている「おっさんビジネス用語」の一つに「ケツを持つ」という言葉がある。最終的な責任を負うことを表す比喩で、例えば「私はいつまで後輩のケツを持つのか」といった使い方がされるが、くだけた言い回しのため、使う相手や場面に注意が必要だ。
そこで本記事では、「ケツを持つ」の意味や使い方、注意点、類義語、対義語について解説する。この機会にぜひ正しい使い方を覚えておこう。また、英語を使う機会の多い方は、英語表現も併せてチェックしてほしい。
ケツを持つとは?
まずは、「ケツを持つ」の言葉の意味と由来について確認していこう。
物事や組織において、最終的な責任を負うこと
ケツを持つは、物事や組織の一番後ろ(高位)の立場において、最終的な責任を請け負うことを指した言葉だ。「ケツ持ち」「尻を持つ」などとも表現されるが、基本的にリーダーや社長など組織のトップの仕事を指すことが多く、他人の失敗などの後始末をする、後押し、味方をするといった意味合いもある。
由来
ケツを持つの「ケツ」は、お尻を下品に言い換えた別称だ。お尻は体の最後の部分とされることから転じて、「物事の後始末、最終的な責任を負う」という意味で「ケツを持つ」という言葉が使われるようになったと言われている。
ケツを持つの使い方
ここからは、「ケツを持つ」の例文と使用時の注意点を紹介する。誤った使い方をしないようにチェックしておこう。
例文
「ケツを持つ」は、トラブルやアクシデントの発生により、他者の過失について責任を負う必要が生じた場面で使われることが多い。
【例文】
「部長は、部下のケツを持つ立場だ」
「私が彼のケツを持たないといけないとは。今後は、責任感を強くするように指導する必要があるな」
「あの新入社員のケツを持つ人は誰?」
使用時の注意点
同僚や友人など、親しい間柄で使われることが多いくだけた言い回しのため、正式な場や社外での使用は避けた方が良いだろう。また、下品な印象に捉えられることのある言葉のため、使用する際には時と場合を見極める必要がある。
ケツを持つの類義語・言い換え表現
次に、ケツを持つの類義語を紹介する。正式な場で使える言い換え表現もあるため、セットで覚えておこう。
ケツ持ち
元々は、主に暴力団ややくざなどの組織が、トラブルに見舞われた一般企業を救済する代わりに対価を得ることを指す俗語だった。現在は、他者のミスを片付けて後始末をすることを意味して用いられることも多い。また、「尻拭い」と言い換えることもできる。
【例文】
「あの会社は、ヤクザがケツ持ちしているらしいよ。トラブルに巻き込まれないように気をつけよう」
「私がケツ持ちしている分、その代わりに対価をもらわないと困るよ。こちらもボランティアじゃなく、商売なんだから」
後ろ盾
後ろ盾には、「背後を防ぐための盾となること」「陰で助けること」という意味がある。「責任を負う」のではなく、「後援する」というニュアンスで使われる。
【例文】
「有名な小説で知られるあしながおじさんは、孤児院で育った女の子の後ろ盾となる資産家だ」
「僕が彼女の後ろ盾になります。だから、安心してください」