馬車や服装など見どころはたくさん
――今回の戴冠式の見どころや、ここを抑えておくともっと戴冠式が面白くなるポイントなどがあれば教えていただけますか?
多賀先生 イギリスでは、70年ぶりの戴冠式とあって、初めて経験する人も多く、期待が高まっています。普段はロンドン塔に大切に保管されている宝物が続々と出てきますので、見逃さないようにしてください。
馬車は2台。往路は故エリザベス女王の即位60年を記念して作られた馬車「ダイヤモンド・ジュビリー・ステイト・コーチ」に乗り、復路は豪華な「ゴールド・ステイト・コーチ」で宮殿に帰ります。この帰りの馬車は、1830年代以来、すべてのイギリス王の戴冠式で使用されてきたもので、重さ4トン、8頭の馬を使います。金色の細かな細工が見事です。
王冠も国王は2つ使用します。9歳のジョージ王子も伝統の服装で活躍します。豪華絢爛な歴史絵巻を存分に楽しんでくださいね。
――ありがとうございました。
多賀先生の新刊書「英国女王が伝授する 70歳からの品格」(KADOKAWA発刊、定価1,870円)にはここで紹介した以外にもイギリス王室を知るためのたくさんのエピソードがちりばめられている。
新刊書で紹介されたエリザベス女王の語った言葉は、私たちの生き方の参考になるだけでなく、女王の健康法や動物とのふれあいなど、私達の知らなかった女王の素顔を垣間見せてくれる。合わせてみることで戴冠式をもっと楽しませてくれるはずだ。
多賀幹子(たが みきこ)先生
東京都生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。企業広報誌の編集長を経てフリーのジャーナリストに。元・お茶の水女子大学講師。
1983年よりニューヨークに5年、95年よりロンドンに6年ほど住む。
女性、教育、社会問題、異文化、王室をテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演・講演活動などを行う。公益財団法人 北野生涯教育振興会 論文審査員。著書に、『孤独は社会問題』(光文社新書)、『ソニーな女たち』(柏書房)、『親たちの暴走』『うまくいく婚活、いかない婚活』(以上、朝日新書)などがある。
https://studywalker.jp/lecturer/detail/985/
文/柿川鮎子