消費者詐欺・会社とのトラブル・近隣トラブルなど、法律に関するトラブルに突然巻き込まれてしまったら、専門家のアドバイスを受けて対応すべきです。今回は、身近な法律トラブルを無料で気軽に相談できる窓口を紹介します。
1. 弁護士に直接相談してもよいが……
実は、多くの弁護士が無料法律相談を受け付けています。
法律トラブルに巻き込まれたら、弁護士に直接無料相談を申し込んでも構いません。依頼することを決めている場合は、直接弁護士へ相談するのが一番スムーズです。
しかし、まだ依頼するかどうか決めていない場合、弁護士へ相談するのはハードルが高いと感じるかもしれません。そんなときは、次に紹介する窓口を利用して、今後の対応についてアドバイスを求めるのがよいでしょう。
2. 無料で気軽に法律相談ができる窓口の例
法律トラブルについて無料で気軽に相談できる窓口としては、以下の例が挙げられます。
①法テラス(日本司法支援センター)
②市区町村の法律相談会
③行政機関の相談窓口
2-1. 法テラス(日本司法支援センター)
「法テラス(日本司法支援センター)」は、市民と法専門家の距離を縮めることを目的として設立された公的機関です。
収入と資産がいずれも一定水準以下の方は、法テラスを通じて、1案件につき3回まで弁護士または司法書士の無料法律相談を利用できます。
また、実際に弁護士または司法書士へ依頼する際には、法テラスに依頼費用を立て替えてもらえます。
法テラスの地方事務所は全国各地に設置されているので、どの地域にお住まいの方でも利用可能です。利用方法などについては、法テラスのサポートダイヤルまたは地方事務所の窓口にご確認ください。
参考:初めての方へ|法テラス
2-2. 市区町村の法律相談会
各市区町村では、定期的または不定期に無料の法律相談会を実施していることがあります。弁護士が相談を担当するケースが多く、1枠20分から30分程度で、市民であれば誰でも無料で法律相談を利用できます。
法律相談会の開催有無・時期・予約方法などについては、お住まいの市区町村の役所へご確認ください。
2-3. 行政機関の相談窓口
特によくある法律トラブルについては、各行政機関が個別に相談窓口を設けていることがあります。以下に挙げるのは、行政機関の相談窓口の一例です。
①消費者ホットライン
悪徳商法や消費者詐欺の被害などについて相談できる、消費者庁が設置する相談ダイヤルです。消費者ホットラインに連絡すると、身近な消費生活センターや消費生活相談窓口に繋いでもらえます。
②労働基準監督署
会社の労働基準法違反などを取り締まる行政機関です。全国各地に設置されており、労働問題など会社とのトラブルについて幅広く相談できます。
③DV相談+
配偶者やパートナーから受けている暴力(DV)について相談できる窓口です。電話・メールでの相談は24時間対応で、チャットによる相談もできます。チャット相談は10か国語に対応しています。
参考:DV相談+
また、法令の内容や解釈などについて知りたい場合は、各省庁の法令担当者に質問すれば、回答してもらえる場合があります(質問内容によっては、回答を得られない場合もあります)。
各省庁の代表番号に連絡して、法令に関する質問内容を伝えれば、法令担当者に繋いでもらえます。できる限り回答を得られるように、あらかじめ質問内容を整理しておきましょう。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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