ユーティリティの配慮は、さすがスバル
クロストレックはインプレッサと違い、ル―フレールが備わり、ルーフボックスなどを装備できるのだが、リヤドアを開けた際、後席とサイドシルの間にサイドシルプレートがあり、そこに足をかけてルーフにアクセスしやすくなるなど、そうしたユーティリティの配慮は、さすがスバルと言っていい。
バックドアを開けてみて、おや?っと思ったのが、ラゲッジフロアと開口部の段差。ここが小さい、あるいはレヴォーグやアウトバックのように、段差がないと、重い荷物を出し入れする際に、開口部部分の持ち上げ操作が不要になり、よりスムーズに荷物の出し入れができ、荷物、開口部のキズ付きを防げるという絶大なるメリットがもたらされるのである。先代XVも確かに段差はあったのだが、フロアボード後端左右のベルトを開口部部分の凸に引っ掛けることで、ラケッジルームの開口部段差をほぼなくすことができたのである。
先代XVのラゲッジ開口部段差
先代XVはベルトで開口部段差を解消できた
が、新型クロストレックには、フロアボード後端左右のベルトと開口部部分の凸が見当たらない。もしや、フロアボードと開口部のフラット化をやめたのかっ!!とガッカリしたのだが、実は、純正アクセサリーの「トノカバー」を注文し、フロアボードの下にすっきり収めると、なんとフロアボードと開口部の段差がなくなる仕掛けに変更していたのだ。その分、「トノカバー」のアクセサリー代金は必要になるものの、レヴォーグのようなラゲッジルームの使い勝手を望むのであれば、フロアボードの下のかさ上げアイテムは不可欠。もっとも、ここだけの話、トノカバーと同じようなものをしのばせればOKでもあったりする・・・。
クロストレックの開口部段差
トノカバーで段差を解消できる
そのほかの新型クロストレックのハイライトとしては、感動もののかけ心地を示してくれた新設計フロントシート、レヴォーグにも使われている定評あるデュアルピニオン式パワーステアリング、単眼カメラを追加した最新のアイサイトの採用、ボディ剛性、エンジンのねじり剛性、サスペンション取り付け部剛性の強化、徹底した静粛性対策などが挙げられる。そのあたりが功を奏す走行インプレッションについては、このあと改めて報告したい。
いずれにしても、見た目は先代XVと大きく変わらない新型クロストレックだが、中身、走りの進化の目覚ましさはハンパじゃないといって間違いない。この時代の安心安全なアウトドアライフでのドライブにもぴったりではないか。なお、価格はツーリングのFF、266.2万円からリミテッドのAWD、328.9万円となる。
文/青山尚暉
写真/スバル・青山尚暉