まもなく、全国各地でほたるの見ごろを迎える。闇夜の水辺に舞う美しい光は、1年のうちわずかな期間しか見られない特別なものだ。
では、各地域別におけるほたるの出現時期は、具体的に何月何日になるのだろうか?
ウェザーニューズはこのほど、ほたるの出現時期や出現ピークを予想した「ほたる出現傾向」を発表した。
ほたるの出現は例年並〜早い予想!西・東日本では5月中旬から出現ピーク
ほたるは、冬の終わり頃から春にかけての気温が高いほど、飛び始める時期も早くなる。今年の1〜2月は寒い日もあったが、3月以降は寒気の南下が弱く平年よりもかなり暖かくなった。
この先4月下旬から6月にかけても気温は平年より高めで経過する見込み。このため、ほたるの出現は西日本で例年並〜早く、東日本でやや早い~早く、北日本で例年並〜早くなる予想だ。
今後、西日本では5月中旬までに飛び始めるところが多く、5月中旬~下旬に出現のピークを迎える。東日本では5月下旬までに飛び始めるところが多く、5月中旬~6月上旬に出現ピークを迎える予想だ。
東北では5月下旬〜6月中旬に飛び始めて、6月中旬〜7月上旬に出現ピークを迎える見通し。北海道では6月下旬〜7月下旬に飛び始めて、出現ピークは7月上旬〜8月上旬になりそうだ。
ほたるの出現は気象的な要因だけでなく、卵や幼虫が生育する川の環境の影響も受ける。川が増水すると卵や幼虫が流されてしまうことがあり、昨年の夏から秋に前線や台風の影響で大雨となった地域では、今年のほたるの出現数が減少する可能性がある。
ほたる観賞に適した気象条件や時間帯
ほたるの光は求愛行動と言われている。幻想的な光を点滅させながら舞うのがオス、葉の上などでじっと止まっているのがメスだ。ほたるは光を嫌うため、曇っていて月明かりのない日・風が弱い日・気温は20℃以上という気象条件が揃った日に多く姿を現す。
ほたるは日没後、暗くなった19時半頃から徐々に舞い始める。徐々に舞う数が増えていき、20〜21時頃にピークとなる。夜に3回ほど舞い、20時〜21時の1回目が終わると、次は23時頃、その次は日付を越えた2時前後となる傾向がある。
ただし21時を過ぎると、ほたるの数が少しずつ減ってくるため、見に行く時間は20時〜21時頃が良さそう。ほたるは光や騒音などにとても敏感で繊細な生き物だ。人工的な光や大きな音を出してしまうと、求愛行動・繁殖の妨げになってしまう。観賞に行く際には、最新の注意を払ってそっと静かに見守るよう心がけよう。
出典元:株式会社ウェザーニューズ
構成/こじへい