クレジットカードが「のっぺらぼう」になっている。
つまり、それまでカードの表面と裏面に書かれていたはずの番号がなくなっているということだ。
あるのは裏面の自筆サインだけ。こ、これって今までのやつより使いづらくなってるんじゃ……?
実際、クレカがのっぺらぼうになったことによる不便さを感じている人は少なくないようだ。たとえば、ネット通販で買い物をする際に新しいクレカを登録したいが、その場で番号を確認できない。暗記でもしない限りは、わざわざ専用アプリを開いて番号を確認しなければならないというわけだ。
が、それでも「クレカののっぺらぼう化」は時代の流れでもある。
のっぺらぼうクレカは不便?
2023年3月27日に発行が開始された三井住友カードの『プロミスVisaカード』は、クレジットカード機能とローンカード機能が一体化されたものである。
海外旅行傷害保険が付与され、国外での利用も想定されているカードだが、そのデザインはのっぺらぼう。カードそのものを見ただけでは番号が分からない仕組みになっている。番号の確認はVpassアプリで行う仕組みだ。
そして何と、裏面の署名欄すらない。所有者の名前の刻印はあるが、直筆サインを必要としないクレカはむしろ不便なのでは……。
高級帯のホテルにチェックインする際、宿泊費を後払いするのであればクレカの有効期限を求められることがある。この場合はカード表面に記載されている情報しか受け付けないことが多く、専用アプリで番号と有効期限を表示してもホテルが対応してくれない……などという可能性すらある。
また、スタッフが給油作業を行う(セルフではない)ガソリンスタンドでは、クレカ決済をすると殆どの場合サインを求められる。そのため、そもそも署名欄のないクレカにガソリンスタンドは対応してくれるのか……という疑問も。
海外ではもっとシビアだったりする。ある程度高額な買い物をすると、店員が売上票に書かれたサインとカード裏側のそれをまじまじと凝視しながら比較したり……ということも。
それだけ「なりすまし」が多いということでもあるが、故に署名欄のないクレカは現状では不便さを感じてしまう可能性が少なくない。