あなたが「感じがいい」と思うのは、どんな人でしょうか?
いつも率先して元気に挨拶をしてくれる職場の部下。相づちのバリエーションが豊富で、聞き上手な同僚。仕事のプロセスから正当な評価をしてくれる上司は感じがいいと思うのではないでしょうか?
一方で、仕事の指示が曖昧なのに、突然「まだ?」と自分の都合で催促してくる上司や、ネガティブワードや余計なひと言が多い部下、人が話している最中に何かと自分の話をかぶせてくるような同僚は、決して感じはよくないと思います。
こうしたちょっとした場面で始まる「感じがいい・悪い」の印象づけは、ビジネスシーンにおいても大きな影響を及ぼします。組織の中で働いている以上、人との関わりをなくすことはできません。せっかく縁があって知り合ったわけですから、気持ちよく付き合える関係を築き上げたいものです。
本記事では50万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』シリーズの著者で産業カウンセラーの大野萌子さんの著書『「感じがいい人」の行動図鑑』の一部を抜粋し、再構成して気持ちよく働くためのヒントをお届けします!
〝長さは顎のラインに揃えて〞〝仕上がりはこんな色が希望です〞
美容院や飲食店、宅配便など日々私たちは様々なサービス業の方々と関わりをもって暮らしています。サービスを受ける側が人間なら提供する側も人間。少しでも良い印象を持ってもらえれば、より気持ちのいいサービスを受けられるはずです。
では、サービスの提供者にとって感じのいいお客さんというのは、どういう人でしょうか。私は、要望をきちんと具体的に伝えられる人ではないかと思います。
例えば、美容院での“あるある”が「思っていた髪型と違う」問題。「気持ち短めにとお願いしたのに短すぎ」「カラーの色が思いどおりじゃない」などの不満は、美容師とあなたの思い浮かべるイメージが合致していないことが原因で起こります。
大事なのは「長さは顎のラインに揃えて」「仕上がりはこんな色に」のように、要望を具体的に伝えること。イメージというのは言葉で伝わりづらいですから、希望に近い写真をアングル違いで複数用意するなど、伝えるための工夫や努力も必要です。
ほかにも「朝、時間がなくてもササッと決まる髪型で」「ワックスを使いたくない」などの要望があれば、それを踏まえてあなたに合う魅力的な髪型を提案してくれるかもしれません。しっかり「伝える」ことで一歩進んだ関係が築けるのです。
一方、宅配便の配達員さんや店の店員さんには、明るい挨拶がおすすめです。相手の目を見て「こんにちは」「暑い中、ありがとうございます」と声をかければ相手の承認欲求が満たされ、あなたの印象もアップします。
《POINT》
サービスを受けるほうもわかってもらう努力を。相手を認識しているサインを送ることで好印象を与える
☆ ☆ ☆
職場、取引先、親族、近所付き合いなど、様々な人と関わる中で「感じがいい人」は、絶妙なコミュニケーションの術を無意識のうちに、あるいは意識的に身につけています。そんな「感じがいい人」がさりげなくやっている行動や言動の事例を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ちょっとした話し方や言葉遣い、意識の向け方を変えるだけで、相手に与える印象は必ず好転します。「感じがいい人」の行動図鑑』の中で紹介している65のアクションをヒントに仕事も、人間関係も、うまくいく幸せ習慣を手に入れてください。
著/大野萌子
発行/小学館
定価/1430円(税込)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311523
著者/大野萌子(おおの・もえこ)さん
公認心理師。産業カウンセラー。2級キャリアコンサルティング技能士。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事。著書の『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』はシリーズ累計50万部を突破。