夫婦は法律上、互いに「同居義務」「協力義務」「扶助義務」「貞操義務」を負います。今回はこれらの夫婦の義務について、内容や違反した場合の効果などをまとめました。
1. 夫婦の義務(1)|同居義務
夫婦は原則的に、同居して共同生活を送る義務を負います(民法752条)。これを「同居義務」といいます。
配偶者の承諾を得て別居する場合は、同居義務違反に当たりません。これに対して、配偶者の承諾を得ずに別居することは、原則として同居義務違反に当たります。
ただし例外的に、正当な理由がある場合には、配偶者の承諾を得ずに別居しても同居義務違反に当たりません。
<別居が認められる場合の例>
・仕事の都合でやむを得ず単身赴任する場合
・家族の介護が必要となり、実家に帰る場合
・配偶者からDVやモラハラを受けており、逃れるために別居する場合
など
2. 夫婦の義務(2)|協力義務
夫婦は婚姻生活に関して、互いに協力する義務を負います(民法752条)。これを「協力義務」といいます。
協力義務の内容は抽象的に思われますが、婚姻生活に関連する事柄であれば、一般的に協力義務の対象になると考えられます。
<夫婦が協力すべき事柄の例>
・育児
・家事
・病気になった際の看病
など