取引先に言いづらいことをシンプルかつはっきりと伝える方法

2023.05.22PR

あなたが「感じがいい」と思うのは、どんな人でしょうか？

いつも率先して元気に挨拶をしてくれる職場の部下。相づちのバリエーションが豊富で、聞き上手な同僚。仕事のプロセスから正当な評価をしてくれる上司は感じがいいと思うのではないでしょうか？

一方で、仕事の指示が曖昧なのに、突然「まだ？」と自分の都合で催促してくる上司や、ネガティブワードや余計なひと言が多い部下、人が話している最中に何かと自分の話をかぶせてくるような同僚は、決して感じはよくないと思います。

こうしたちょっとした場面で始まる「感じがいい・悪い」の印象づけは、ビジネスシーンにおいても大きな影響を及ぼします。組織の中で働いている以上、人との関わりをなくすことはできません。せっかく縁があって知り合ったわけですから、気持ちよく付き合える関係を築き上げたいものです。

本記事では50万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』シリーズの著者で産業カウンセラーの大野萌子さんの著書『「感じがいい人」の行動図鑑』の一部を抜粋し、再構成して気持ちよく働くためのヒントをお届けします！

○日付のメールでもお伝えしたとおり、□日に送らせていただきます

　ミスや勘違いをした相手に「違いますよ、○○ですよ」と指摘したら、「そんなの聞いてないよ！」と逆ギレされてしまい、以来、話しにくくなってしまった……。そんなお悩みを耳にすることがあります。とはいえ、相手の間違いを正さないと、結局は自分がつらい思いをするハメに。どのように伝えれば相手に素直に受け止めてもらい、かつ、あなたに対しても良い感情を抱いてもらえるのでしょうか。

　例えば、納品日を勘違いした相手から「まだ届いていない」とお𠮟りメールが来たとします。ここで、相手の間違いを指摘せず「すぐに送ります」と答えてしまうのは、早計です。仕事に余裕があるならまだしも、時間がない時であれば、簡単に対応できませんよね。こういう場合は「○日のメールでお伝えしたのですが、□日に送らせていただく予定です」「○日にちょうだいしたメールから、納品日を□日と認識しておりました」とシンプルかつ、はっきりと伝えて、勘違いに気づいてもらいましょう。相手に気を使って言葉を濁したりすると、いらぬ誤解を招きかねません。

　ここで重要なのは、相手の勘違いばかりにフォーカスするのではなく、その日時が「いつどこで決まったのか」という事実を提示する点です。もし自分が間違っていたとしても、真っ向から自分を否定されると人は反発したくなるもの。誰にも間違いはあるのです。余計なひと言は加えず、事実のみを簡潔な言葉で伝え、相手が自らの非を認めやすくする雰囲気をつくることも気遣いなのです。