あなたが「感じがいい」と思うのは、どんな人でしょうか?
いつも率先して元気に挨拶をしてくれる職場の部下。相づちのバリエーションが豊富で、聞き上手な同僚。仕事のプロセスから正当な評価をしてくれる上司は感じがいいと思うのではないでしょうか?
一方で、仕事の指示が曖昧なのに、突然「まだ?」と自分の都合で催促してくる上司や、ネガティブワードや余計なひと言が多い部下、人が話している最中に何かと自分の話をかぶせてくるような同僚は、決して感じはよくないと思います。
こうしたちょっとした場面で始まる「感じがいい・悪い」の印象づけは、ビジネスシーンにおいても大きな影響を及ぼします。組織の中で働いている以上、人との関わりをなくすことはできません。せっかく縁があって知り合ったわけですから、気持ちよく付き合える関係を築き上げたいものです。
本記事では50万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』シリーズの著者で産業カウンセラーの大野萌子さんの著書『「感じがいい人」の行動図鑑』の一部を抜粋し、再構成して気持ちよく働くためのヒントをお届けします!
○○の件について話したいのですが場所と時間の希望はありますか?
部下がミスをした時の注意の仕方というのも繊細で難しい問題です。上司が感情に任せて一方的に問い詰めたりしようものなら、今の時代、パワハラと受け取られかねません。何より、ミスをした部下は自分の落ち度を十分わかっているはずなので、そこを責めたところで、何の解決にもなりません。部下のミスは上司の管理不足でもあるわけですから、冷静に対応することが求められます。
効果的に注意をし、今後につなげるために大事なのは、なぜそのようなことが起きたのか、感情を交えず、事実と経緯のみを確認すること。さらにミスを起こした理由について、部下の言い分もしっかり聞くこと。その上で反省点を見いだし、繰り返さないためにはどうすればよいのか、本人にしっかり考えてもらうことです。
ここでもうひとつ気を配りたいのが、部下を注意する“環境”です。ほかの人の目が届かない別室がいいという人もいれば、密室で話されるよりは、オープンなスペースで話してもらったほうが緊張を抑えられるという人もいます。気を使いすぎているように見えますが、部下にしてみれば、ただでさえ怒られることで緊張しているのですから、過度な負担がかからないよう、心理的安全性を確保しておくのも上司の務めです。それがあって初めて建設的な話し合いが進められます。こうして万全の対策を施しても同じミスが繰り返される場合は、対策方法が間違っているのか、部下にとってその仕事の荷が重すぎるということです。
《POINT》
人によって注意の受け取り方は様々。部下が受け入れやすい環境で注意する
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職場、取引先、親族、近所付き合いなど、様々な人と関わる中で「感じがいい人」は、絶妙なコミュニケーションの術を無意識のうちに、あるいは意識的に身につけています。そんな「感じがいい人」がさりげなくやっている行動や言動の事例を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ちょっとした話し方や言葉遣い、意識の向け方を変えるだけで、相手に与える印象は必ず好転します。「感じがいい人」の行動図鑑』の中で紹介している65のアクションをヒントに仕事も、人間関係も、うまくいく幸せ習慣を手に入れてください。
著者/大野萌子(おおの・もえこ)さん
公認心理師。産業カウンセラー。2級キャリアコンサルティング技能士。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事。著書の『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』はシリーズ累計50万部を突破。