あなたが「感じがいい」と思うのは、どんな人でしょうか?
いつも率先して元気に挨拶をしてくれる職場の部下。相づちのバリエーションが豊富で、聞き上手な同僚。仕事のプロセスから正当な評価をしてくれる上司は感じがいいと思うのではないでしょうか?
一方で、仕事の指示が曖昧なのに、突然「まだ?」と自分の都合で催促してくる上司や、ネガティブワードや余計なひと言が多い部下、人が話している最中に何かと自分の話をかぶせてくるような同僚は、決して感じはよくないと思います。
こうしたちょっとした場面で始まる「感じがいい・悪い」の印象づけは、ビジネスシーンにおいても大きな影響を及ぼします。組織の中で働いている以上、人との関わりをなくすことはできません。せっかく縁があって知り合ったわけですから、気持ちよく付き合える関係を築き上げたいものです。
本記事では50万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』シリーズの著者で産業カウンセラーの大野萌子さんの著書『「感じがいい人」の行動図鑑』の一部を抜粋し、再構成して気持ちよく働くためのヒントをお届けします!
私は○○なのですが、あなたはどうですか?
初対面の人や親しくない人と話す時、どうしても話題は自分のことになりがち。自分が経験したことですから、それが一番話しやすいのは当然です。けれど、自分の体験談を長々と話し続ける上司にうんざり、自慢話の長い友人にあきれた経験は誰しもあること。自分の人生にとっては自らが主人公ですから、自分のことを話したいと思うのは自然なことです。逆に言えば、相手にとってあなたは脇役のひとり。その話をずっと聞いていたいと思う人は少ないでしょう。
では、相手に好かれる会話とはどんなものでしょうか。大切なのは、自分が話すよりも相手に多く話してもらうこと。「話すが3割、聞くが7割」を意識することです。
相手に話してもらう簡単な方法は「私は○○なのですが、あなたはどうですか?」という質問を投げかけること。ここでのポイントは自分のことを多少開示することです。相手に安心感を与えることで、さらに話を引き出すことができます。
繰り返しになりますが、人は自分の話をしたがるものです。相手も自分のことを話す場があれば話すことはやぶさかではなく、その場をうまく提供できれば、自然と話し始めてくれることでしょう。話を聞くと、その人への理解が深まります。思っていたよりも寛容、厳しい、こだわるポイントなどといった本来の相手の傾向を把握することができれば、その後の付き合い方も変わるかもしれません。ぜひ聞く姿勢を見せて、相手から上手に話を引き出してください。
《POINT》
会話は「話すが3割、聞くが7割」を意識する。話を聞くことで相手の人柄をより理解できる
大野萌子(おおの・もえこ)さん
公認心理師。産業カウンセラー。2級キャリアコンサルティング技能士。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事。著書の『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』はシリーズ累計50万部を突破。
著/大野萌子
発行/小学館
定価/1430円(税込)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311523
著者/大野萌子