あなたが「感じがいい」と思うのは、どんな人でしょうか?
いつも率先して元気に挨拶をしてくれる職場の部下。相づちのバリエーションが豊富で、聞き上手な同僚。仕事のプロセスから正当な評価をしてくれる上司は感じがいいと思うのではないでしょうか?
一方で、仕事の指示が曖昧なのに、突然「まだ?」と自分の都合で催促してくる上司や、ネガティブワードや余計なひと言が多い部下、人が話している最中に何かと自分の話をかぶせてくるような同僚は、決して感じはよくないと思います。
こうしたちょっとした場面で始まる「感じがいい・悪い」の印象づけは、ビジネスシーンにおいても大きな影響を及ぼします。組織の中で働いている以上、人との関わりをなくすことはできません。せっかく縁があって知り合ったわけですから、気持ちよく付き合える関係を築き上げたいものです。
本記事では50万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』シリーズの著者で産業カウンセラーの大野萌子さんの著書『「感じがいい人」の行動図鑑』の一部を抜粋し、再構成して気持ちよく働くためのヒントをお届けします!
話す時はゆっくり、はっきりと。時には間をつくって
誰かと話している時にふと訪れる無言の時間。これを恐怖に感じる人は意外と多いもの。間をなくすために話し続け、思ってもいないことを言ってしまった、言わなくてもよいことを口走ってしまった、という経験はありませんか?
実はこの無言の時間=間が有意義な会話をする上でとても重要。というのも、人は考える時間がないまま話していると、内容がどんどん薄く、表面的になってしまうからです。少しの間、立ち止まり、本当に自分が思っていること、考えていることを話すようにすれば、余計なことを言って失敗することは、ほぼなくなるでしょう。
間といっても実際は1分もありません。多くは数秒から長くても十数秒といったところです。それくらいの時間の沈黙は、会話のスパイスと考えて、深呼吸して待ってみてください。自分の考えがまとまるだけではなく、あなたが待っていれば相手が本当に話したかった内容を話し出してくれるかもしれません。このように間を大切にし、会話に織り交ぜることで、より実りのある会話をすることができます。
また、話をする場合は「ゆっくり」「はっきり」話すこと。声のトーンは低めが印象アップに効果的です。高い声は、余裕のなさや焦っている印象を相手に与えがちなため、自分で思っているより、ワントーン低いぐらいを意識すると、ちょうどいいのです。落ち着いた響きとなって、相手に信頼感や安心感を与えることができますよ。
《POINT》
間がないと表面的な話になりがち。沈黙したら、相手が話し始めるまで待つこと
☆ ☆ ☆
職場、取引先、親族、近所付き合いなど、様々な人と関わる中で「感じがいい人」は、絶妙なコミュニケーションの術を無意識のうちに、あるいは意識的に身につけています。そんな「感じがいい人」がさりげなくやっている行動や言動の事例を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ちょっとした話し方や言葉遣い、意識の向け方を変えるだけで、相手に与える印象は必ず好転します。「感じがいい人」の行動図鑑』の中で紹介している65のアクションをヒントに仕事も、人間関係も、うまくいく幸せ習慣を手に入れてください。
著/大野萌子
発行/小学館
定価/1430円(税込)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311523
著者/大野萌子(おおの・もえこ)さん
公認心理師。産業カウンセラー。2級キャリアコンサルティング技能士。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事。著書の『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』はシリーズ累計50万部を突破。