あなたが「感じがいい」と思うのは、どんな人でしょうか?
いつも率先して元気に挨拶をしてくれる職場の部下。相づちのバリエーションが豊富で、聞き上手な同僚。仕事のプロセスから正当な評価をしてくれる上司は感じがいいと思うのではないでしょうか?
一方で、仕事の指示が曖昧なのに、突然「まだ?」と自分の都合で催促してくる上司や、ネガティブワードや余計なひと言が多い部下、人が話している最中に何かと自分の話をかぶせてくるような同僚は、決して感じはよくないと思います。
こうしたちょっとした場面で始まる「感じがいい・悪い」の印象づけは、ビジネスシーンにおいても大きな影響を及ぼします。組織の中で働いている以上、人との関わりをなくすことはできません。せっかく縁があって知り合ったわけですから、気持ちよく付き合える関係を築き上げたいものです。
本記事では50万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』シリーズの著者で産業カウンセラーの大野萌子さんの著書『「感じがいい人」の行動図鑑』の一部を抜粋し、再構成して気持ちよく働くためのヒントをお届けします!
○日の○時までにお願いします。厳しいようでしたらご相談くださいね
できるだけ速くこの仕事を終わらせてほしいと思った時に、「なるはやでお願いします」と依頼したことはありませんか? 相手もきっとこちらの状況をわかってくれているはず、きっと配慮して行動してくれるに違いない、そう思い込んでいませんか? これでは、相手にあなたの勝手な期待を押しつけていることになります。
他人の勝手な期待ほど迷惑なものはありませんよね。「いつもの仕事だから、同じグループの人なら当然わかってくれている」と決めてかかるのは考えものです。相手は自分ができる範囲の「なるはや」で終わらせてくれるでしょうが、それがあなたの思う「なるはや」と同じスピードとは限らないからです。あなたが「なるはや」で仕事をしたつもりでも、相手から「遅い」と怒られたりしたら、パワハラと感じるかもしれません。ほかにも使いがちなのが「お手すきの時」や「可能なら」という言葉。相手をおもんぱかったつもりでも、曖昧な指示では、相手にとってみればわかりにくく、難しい判断を迫られていることになるのです。
その点、感じがいい人、好かれる人というのは、仕事を依頼する際も「○日の○時まで」と詳細に期限を設定できます。相手の都合を無視しているようで心苦しいと思うかもしれませんが、逆に期日がはっきりしているほうが、スケジュールに組み入れやすく、仕事もしやすいのです。その上で「難しい場合はご相談ください」とフォローを入れておけば、万全です。
《POINT》
指示出しは明確に言い切ることが重要。「難しい場合は」というフォローも忘れずに
大野萌子(おおの・もえこ)さん
公認心理師。産業カウンセラー。2級キャリアコンサルティング技能士。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事。著書の『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』はシリーズ累計50万部を突破。
著/大野萌子
発行/小学館
定価/1430円(税込)
2022年9月30日(金)発売
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311523
著者/大野萌子