中国国産旅客機
中国は、国産旅客機の生産を強化し、将来的にアメリカのボーイング社とヨーロッパのエアバス社の欧米2強を脅かす存在になるかもしれない。
中国国産機として初めて商業運航したリージョナルジェット「ARJ21」は78~90席の座席数。2022年12月に100機目の引き渡しを果たすとともに、初めて海外(インドネシア)にも納入するなど順調だ。ライバル機にはブラジルのエンブラエル機のほか、この市場に参入すべく日本も「三菱スペースジェット(旧MRJ)」を開発していたが、2023年2月に開発の中止を発表。下請けからの脱却を図った完成機ビジネスのチャンスを逃した。
これからの航空マーケットで最も需要が高いといわれているのが、ボーイング737型機やエアバスA320シリーズなどの150~200席程度の大型機マーケット市場だ。そんな中、中国は同クラスの「C919」を新たに開発。2022年12月に中国東方航空に納入し、今春にも就航する予定だ。CO2排出量や低燃費を実現した低騒音機で、すでに1000機以上の受注を獲得。将来的にはアジアを中心に中国国産機が〝当たり前〟に飛ぶ時代になりそうだ。
「C919」は性能的には国際線近距離路線にも使える。海外に就航する際に必要な「型式証明」を取得すれば、アジアの航空会社が導入する可能性もあり注目されている。
初号機を中国東方航空が導入!
大型旅客機「C919」
2022年12月9日にCOMAC社から中国東方航空に引き渡された「C919」は、ボーイング737型機やエアバスA320などと同等サイズ。今春にも就航予定。
「三菱スペースジェット」撤退の今、大躍進の予感
リージョナルジェット機「ARJ21」
2016年から中国国内短距離路線で活躍するリージョナルジェットが「ARJ21」。中国初の国産ジェット機で、2022年12月に初めてインドネシアに納入された。
取材・文/鳥海高太朗 写真/アフロ