健康志向が高まる昨今、サラダ人気が続いているが、近年はサラダ専門店だけではなくサラダの自動販売機やECサイトなど様々なサービスも増えている。
外食する際には主食の米やパン、肉や魚がメインとなり、サラダはサブという位置付けになりやすいが、今回はサラダに注目してみたい。
日本サラダ協会の会長で、サラダをこよなく愛する「サラダー」のまなみ氏にサラダのトレンドや飲食チェーンのおすすめサラダなどを聞いた。
サラダのトレンド
(画像はイメージ)
日本サラダ協会とは、『日本の「サラダー」(サラダ愛好家)を増やすこと』をミッションに掲げて活動している協会で、会長は都内で働くまなみ氏。普段はヘルスケア関連の事業を行う20代の起業家だ。
まなみ氏は、年間500食以上サラダを食べるそうだ。昔はサラダが好きではなかったが、学生時代のダイエットをきっかけに、糖質の多い食事と比べて眠くならないことや、栄養価の高さ、主観的健康感を感じる点などサラダの持つポテンシャルを感じ「サラダは全人類を健康にできるポテンシャルがある」という信念のもと、2020年頃Instagramを開設し、同時期に同協会を立ち上げた。
現在では約300名(2023年2月時点)の会員を抱えており、定期的な情報発信や、会員とサラダを楽しむ「サラダ会」の開催、サラダ店舗検索アプリの開発などの活動を行っている。
近年のサラダ業界について、まなみ氏は「サラダ好きを公言することが、健康意識の高さを 見せるためのパフォーマンスではなく、ライフスタイルとして当たり前に受け入れられるようになってきています。東京都内では当たり前になったサラダ専門店が、直近では地方都市にも広まってきており、全国的に日本人の健康意識が変化してきているように感じています」と述べる。
飲食チェーン店の「サラダ」おすすめランキングTOP5
まなみ氏によると、誰もが知っているようなチェーン店のサラダのレベルも年々上がってきているそうだ。例えば大戸屋、デニーズ、プロントなどのチェーン店もサラダに力を入れており、それらを楽しむこともあるという。そこでまなみ氏が勧める飲食チェーン店のサラダランキングを5位まで聞いてみた。
第1位 大戸屋「もろみチキンの彩りサラダボウル定食としそひじきご飯」
「定食のイメージがある大戸屋ですが、実は糖質オフにしたいときは、このメニューがおすすめ。ご飯を豆腐に変えたり、抜いたりすることもできるんですよ。このメニューはサラダーの中でも大人気です」
第2位 サブウェイ「えびアボカド」(サラダ)
画像出典:サブウェイ
「サブウェイのサンドイッチは、パンをサラダに変更できるオプションメニューがあるのをご存知でしたか? 野菜の量はサンドイッチに使用されているものより相当多いんです。気分によってトッピングを追加しても楽しいです」
第3位 サイゼリヤ「小エビのサラダ」
「リーズナブルで美味しいサイゼリヤは、サラダも抜群に美味しいです。ドレッシングは別にもらって、卓上の無料オリーブオイルと塩で食べるのがおすすめです」
第4位 吉野家「チーズ牛サラダ」
「意外と知らない方も多いのですが、吉野家の牛丼はお米を野菜に変えて、タンパク質もしっかりとれる、ガッツリヘルシーなサラダにできるんです。私のおすすめはチーズのまろやかさが癖になるチーズ牛サラダです」
第5位 デニーズ「ローストポークとハーブ鶏のパワーサラダ」
「最近、ファミレスではサラダメニューが充実しています。デニーズもサラダメニューが豊富で、葉物の野菜は包丁ではなく手でちぎるなど、美味しさにもこだわっています。メニューやドレッシングがリニューアルされているので、ぜひチェックしてみてください」
ビジネスマンにこそ伝えたいサラダの魅力トップ3
(画像はイメージ)
そんなまなみ氏が推すサラダには、どんな魅力があるのか。3つ挙げてもらった。
1.仕事のパフォーマンスが上がる
「糖質の多い食事に比べて、食物繊維を多く含むサラダは、血糖値が急に上昇しにくく、眠気が起こりにくいといわれています。ビジネスパーソンにとっても眠気は大敵。午後の眠気がないだけで仕事のパフォーマンスもぐっと上がります。サラダがメインの食事でなくとも、例えば定食の中でサラダの小鉢がついていたら、サラダから先に食べていただくのもおすすめです」
2.心身の健康にもつながる
「サラダの魅力はなんと言っても糖質の多い食事と比べて血糖値が上がりにくいところです。定食を食べるときでも、サラダを先に食べるサラダファースを実施すると、血糖値の上昇が穏やかになって健康にも良いそうです。さらに健康的な食事は、食べることでメンタル面での健康にもつながるとのデータもあり、気分の改善も期待できるので、一石二鳥なんですよ。
チャンキーサラダを初め、近年流行っているチョップドサラダやパワーサラダなどは、葉物野菜だけではなくお肉などのタンパク質や、豆、穀物なども入っていることが多く、サラダ一つでさまざまな栄養を摂取できる点も魅力の一つだと思います」
3.組み合わせが無限
「具材の選択やドレッシングのレシピによって無限の組み合わせを生み出すことができるので、飽きずに楽しめる点も魅力です。吉野家のようにご飯を野菜に変えた形のサラダ丼まで登場しています。これまで『サラダなんて』と思っていた方にぜひ食べていただきたいです」
2023年のトレンドサラダ「チャンキーサラダ」とは?
中野「Lou」のサラダ(画像提供:まなみ氏)
サラダはブームがたびたび変わるものだが、最近は大きな具材を使った「チャンキーサラダ」なるものがブームのようだ。まなみ氏に魅力を聞いた。
「チャンキーサラダは色味が華やかでシズル感もあり、映えることからInstagramの投稿も増加傾向にあります。
肉や卵などのたんぱく質などのほか、野菜もごろごろと大きめにカットしてあり、食べごたえが抜群です。食べやすさで言えばスプーンで食べられるチョップドサラダのほうが上ですが、チャンキーサラダはあえて大きめにカットしてある具材をしっかりよく噛むことで満足感が得られます。
大きくカットされているので、野菜そのものの味、美味しさを楽しむことができるのも魅力です」
チャンキーサラダは、家庭で作るのもおすすめだそうだ。
「家庭でサラダを作るときのコツは、あまり固く考えずに、家庭にある様々な具材に葉物野菜を組み合わせるのがおすすめ。例えば、晩御飯の残りの豚の生姜焼きをレタスの上に乗せて、ナッツやフルーツトマト、カットオレンジを加えるだけで、栄養満点のチャンキーサラダのできあがりです」
サラダはもはや野菜を集めた単なる淡白なメニューではなくなっている。食事のメインにしたくなるものも増えている。まずは身近な飲食チェーン店のメニューから押さえておこう。
【取材協力】
まなみ氏
日本サラダ協会会⻑。大学在学中に、サラダの持つポテンシャルに目覚め都内のサラダランチを提供するお店を 発信する Instagram を開設。発信の数が増えるに連れ、フォロワーにも自分と同じようにサラダを熱烈に 愛している人が多いことに気づき、コミュニティを作るため 2022 年に日本サラダ協会を立ち上げた。現在は月に 1 度、サラダ愛好家(通称サラダー)とのミートアップイベントをサラダ専門店や野菜専門店とコラボし運営。 サラダ検索アプリもサラダーとともに開発している。自身も年間 500 食以上のサラダを食すサラダー。
サラダ会
インスタグラムアカウント
取材・文/石原亜香利