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【最新ビジネス図解】全国の保育所が続々と導入するBABY JOBのおむつサブスク「手ぶら登園」

2023.04.20

誰もが負担に感じていた「保育所のおむつ問題」を解決するBABY JOB。同社のマーケター東ネネ氏に取材し、事業のキモを掘り下げた。

最新ビジネスの視点

BABY JOBは、保護者に決済システムを、保育所にユーザー管理と発注管理のシステムを提供。おむつを発注すると、提携するユニ・チャームから保育所に直接おむつが届く。

保護者はおむつを持参する必要がなくなり、「手ぶら登園」に一歩近づく。保育所には一切の出費がない。「(保護者、保育士、メーカーの)三方良しの仕組みで、めちゃくちゃ広がると思っていた」と代表の上野公嗣氏は、ローンチ当初を振り返っている。

いっぽうで、「保護者がおむつに名前を書いたり、保育所で管理することが、煩わしいのはわかる。でも、ビジネスになるほど大きな課題だろうか?」。そう思った読者の方は多いのではないだろうか。

実際に2019年のサービス開始当初、保育所へのセールスは大変苦労したという(保育所に無償でシステムを提供し、保護者に案内してもらうという商流)。「おむつは保護者が持ってきてくれるからよい」「そんなに困っていない」という反応が大半だった。

他に困っていることは山ほどあるし、オペレーションの変化は現場の負担になる、と敬遠される。何より、保護者がおむつを持参するのは当たり前過ぎて、解決するべき課題とも認識されていなかったのだ。

しかし、使ってみると便利さがわかる。保護者から預かったおむつを管理し、他の子と間違えないように気を使い、在庫が少なくなると保護者にアラートを送る、といった業務の負担は、当人たちの思いの外大きかったのだ。

保護者側の認識の変化もよく似ている。おむつの名前書きは、声を上げて改善するような課題ではなかったかもしれない。しかし、やらずに済む方法を提示されてみると、仕事と子育ての両立で多忙な保護者にとっては、ほんの数分でも時間ができるサービスはありがたかった。

今後はおむつ以外にも幅広い領域で、「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」を実現するのが、同社のビジョンだ。2022年2月からお昼寝用コットカバー、2023年4月からは保護者らの要望が大きかった食事用紙エプロンと、手口ふきのサブスクをスタート。今後もサービスの領域を広げていく見込みだ。

同社の東ネネ氏は、「仕事と子育てを両立する保護者に、何が大変か、と聞いても意外に答えが返ってこない。何かを具体的に挙げるのが難しいほど、慣れない中で、当たり前になっているタスクが多いのだろう」と指摘する。おむつの名前書きが象徴するように、言葉にもならない細々とした負担の解消を、積み重ねるしかないのだろう。

そんな小さな課題に気づいてもらうためには、BABY JOB自身が信頼されることが重要。「子育ての大変さをわかってくれる会社」「あの会社のサービスなら薦めてみたい」と思われる存在になれれば強い。

そのために同社は、ビジネス外の社会課題の解決プロジェクトに取り組んでいる。例えば「保育園からおむつの持ち帰りをなくす会」の運営だ。

保育所での使用済みおむつの処理には、明確なルールがない。一部の保育所で保護者が持ち帰っており、「帰りに買い物もできない(保護者)」「小分けの手間がかかる(保育所)」といった課題があるが、これは事業で解決しにくい。

そこで同会では1万6000名の署名を集め、要望書とともに厚生労働大臣に提出した。後に厚生労働省は、使用済みおむつを保育園で処理することを推奨する旨を、各自治体へ通達している。

+1Point

「手ぶら登園」会員の保護者には、毎月解約の確認メールが届く。成長の証であるおむつの卒業を、ともに喜ぶスタンスだ。

収益面ではマイナスかもしれないが、保護者の満足度は高まり、保育所も進んで推薦してくれるようになる。次の年に入園する子どもたちに使ってもらうことで、ビジネスが持続する。

取材・文/ソルバ!
人や企業の課題解決ストーリーを図解、インフォグラフィックで、わかりやすく伝えるプロジェクト。ビジネスの大小にかかわらず、仕事脳を刺激するビジネスアイデアをお届けします。 
https://solver-story.com/

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