「突貫工事」と聞くと「急ぎで行われる工事」を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、ビジネスシーンで使われる「突貫工事」は、これとは違った意味で使われることの方が多い。そこで本記事では、ビジネス用語として使われる「突貫工事」の意味や使い方、英語表現を紹介する。ぜひこの機会にチェックしておこう。
突貫工事とは
まずは、ビジネス用語「突貫工事」の意味を解説する。また、意味を混同しやすい「やっつけ仕事」 との違いついても併せてチェックしていこう。
意味
「突貫工事」とは、短期間で一気に完成させる、コストを度外視したスピード優先の工事のことを指す。建築や土木だけでなく、ビジネスにおけるタスク処理などで「スピード最優先で仕上げた作業や仕事」を意味する言葉として使われている。
「突貫工事」と「やっつけ仕事」の違い
「突貫工事」と同じ意味だと勘違いされやすい「やっつけ仕事」との違いは、工事や仕事の「品質」にある。「突貫工事」は、スピード優先・コスト度外視で行われるものの、高品質な仕事を表す一方で、「やっつけ仕事」は、品質を無視して、とにかく完成させることを最優先にした仕事を意味する。両者は仕事の品質について異なるニュアンスを表す言葉であることを押さえておこう。
「突貫工事」の使い方
次に「突貫工事」の使用シーンや例文を紹介する。言葉の使い方に関して具体的なイメージを掴んで、ぜひ使いこなせるようになってほしい。
使用シーン
先に紹介した通り、「突貫工事」は、スピードを最優先して短期間で完成まで持ち込む工事や仕事、時間がない中で期限までに強引に推し進めて完成させる工事や業務のことを表す。本来のスケジュールよりも早く仕事を終わらせるために、作業負荷が高い状態で工事や仕事を進める場合に用いられることが多い。
例文
「突貫工事」を使った例文は以下の通り。
【例文】
「今年度内の完成を目指して、体育館の突貫工事が行われた」
「式典の開会式に間に合わせなければならなかったため、突貫工事で陸上競技場が建設された」
「一日でも早く営業を再開させるために突貫工事で作業を行う」
「来月までにオフィスビルを建てるためには突貫工事にならざるを得ない」
「突貫工事」の英語表現
最後に「突貫工事」を英語で言いたい時に使える言い換え表現について確認していこう。
rush job
急いで処理しなければいけない仕事のことを指す英語表現。
【例文】
・We need to do a rush job to complete the project on time.
(締め切りに間に合わせるため、急いでプロジェクトを仕上げる必要がある)
・We are doing a rush job to meet the high demand for this products.
(製品の需要増加に対応するために、我々は急いで対応を進めています)
eleventh hour job
“eleventh hour job”は“rush job”と同様に、急ぎの仕事を指す英語表現だが、期限の直前になってから急いで進める仕事というニュアンスが強い。
【例文】
・It was hard but she did the eleventh hour job.
(和訳:大変だったが、彼女はその締め切り間近の仕事をやり遂げた。)
・Even though he is unwell, He did the eleventh hour job.
(和訳:彼は体調が悪いにも関わらず、急ぎの仕事をやり遂げた。)
to finish one’s work in a short (period of) time
取り組んでいた仕事を仕上げること、終わらせることを表す熟語表現。“work”の部分は“task”に置き換えることもできる。
【例文】
・I have finished my work in a short time.
(和訳:私は短期間で仕事を仕上げた。)
・She wants to finish her task in a short period of time, because she has a lot of work.
(和訳:彼女は多くの仕事を抱えているため、短期間で仕事を仕上げる予定だ。)
文/編集部