「10円パン」は、「10円で買えるパン」じゃない!
“行列ができるスイーツ”は、いつも海外からやってきた。ハワイ発のパンケーキに始まり、台湾発のマンゴープリン、韓国発のタピオカドリンク、イタリア発のマリトッツォ…。そして今、Z世代が競って行列を作っているのが「10円パン」。SNSには10円パンを食べている画像があふれ、TikTokでは総再生回数2800万超の動画も…。
「そもそも10円パンって何?」
という方のためにざっと説明をすると、そのルーツは、韓国の慶州(キョンシジュ)。10ウォン硬貨をデザインした菓子パン「10ウォンパン」が観光客を中心に大ヒットし、慶州観光の目玉になった。それが日本に飛び火し、日本硬貨の10円玉の模様で再現した「10円パン」が若者を中心にブームとなっているのだ。
韓国の「10ウォンパン」
日本で流行中の「大王チーズ10円パン」(税込み500円)
※2点とも画像提供:株式会社 B.N
熱々を割ると、びっくりするほどチーズが伸びる。※画像提供:株式会社 B.N
「大王チーズ 10円パン」を運営する株式会社 B.Nによると「大王チーズ 10円パン」を始めたのは2022年9月8日。あっという間に大ブームになり、現在は「大王チーズ 10円パン MEGAドン・キホーテ渋谷本店内」のほか、「大王チーズ 10円パン 原宿K-TOWNフードコート店」「大王チーズ 10円パン 新大久保店」「大王チーズ 10円パン ドン・キホーテ道頓堀店」「大王チーズ 10円パン&チョコチュロス 道頓堀店」「大王チーズ 10円パン ドン・キホーテ国際通り店」(沖縄県)の6店(※)を運営している。
※直営店5店、フランチャイズ1店
6店舗のうち3店舗が「ドン・キホーテ」のテナント(いずれも株式会社 B.Nの直営)で、1号店は「MEGAドン・キホーテ渋谷本店内」。ドン・キホーテの客層にマッチしたことも、トレンドの拡散スピードが速かった理由かもしれない。ドン・キホーテを運営する株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)によると、導入の経緯は店長の判断。
「2022年にSNSや渋谷の商圏にマッチするZ世代・若年層に韓国スイーツブームが起こっていたことから、当時の店長が商品仕入れ先から紹介を受けた『10円パン』の導入を即決しました。Z世代をターゲットにした取り組みは同年5月オープンの『キラキラドンキダイバーシティプラザ 東京店』、各店舗の品ぞろえ・演出、あるいはSNS発信における大きな要素として進めており、その一環でもあります」(PPIH)