コロナ禍に伴いリモートワークが日本社会に定着してから、ほどなくして聞かれるようになった「リモートハラスメント」通称「リモハラ」という新語。
この新たなハラスメントだが、実際にどのような被害実態があるのだろうか?また、各企業でリモハラ防止対策は、しっかりと組まれているのだろうか。
ライボはこのほど、社会人男女351名を対象に「リモハラの実態調査」を実施し、その結果を発表した。
ハラスメントに関してリモートよりも「対面の方が気を遣う」が77.1%
テレワークの経験がある258名を対象に「ハラスメントにおいて対面とリモートではどちらが気を遣うか」と尋ねたところ、「対面」が34.9%、「どちらかといえば対面」が42.2%となり、合算した77.1%が対面のほうが気を遣うと考えていることがわかった。
「リモハラの被害経験」がある人は21.7%
テレワーク経験のある258名を対象に「リモハラの被害経験の有無」について尋ねたところ、「ある」(6.6%)と「どちらかといえばある」(15.1%)を合わせて21.7%となった。
リモハラの被害経験がある56名を対象に具体的な内容を聞くと「業務時間外にチャットやSNSで連絡」が41.1%で最多になり、次いで「Webカメラを常に繋げた状態を強要」が25.0%、「極めて頻繁に業務状況を報告させられる」が25.0%となった。
「リモハラの加害経験」がある人は5.9%
テレワーク経験のある258名を対象に、他人にリモハラをしてしまったかもしれない加害体験の有無について聞くと、「ある」(1.2%)と「どちらかといえばある」(4.7%)を合わせて5.9%となった。
リモハラをしてしまったと思う具体的な内容では、「業務内容の報告を過度に求める」と「Webカメラに映った室内の様子や音声に過度な詮索」(ともに40.0%)が同率の最多となった。
リモハラ防止対策、「不満足」と感じる人が71.5%
回答者全体の351名を対象にリモハラ防止対策の有無を聞くと、「有無を知らない」が51.0%で最多となった。
以下、「ない」が34.8%、「ある」が14.2%と続いた。また現状のリモハラ防止対策についての満足度を聞くと、「満足」が28.5%、「不満足」が71.5%となった。
全体の62.0%がリモハラに当たる言動を「曖昧に把握」
テレワーク経験のある258名を対象にリモハラに当たる内容を把握しているのか調べたところ、「正しく把握している」が15.5%にとどまった。
他方、「把握しているつもりだが正しいかは曖昧」が39.1%、「なんとなく把握している」が22.9%となり、合わせて62.0%が曖昧に理解していることがわかった。
役職別で見ていくと、「正しく把握している」と回答したのは課長クラスが最も多く、反対に「全く把握指していない」と最も多く回答したのは部長クラスとなった。
<調査概要>
調査対象者 :全国 / 男女 / 20~50代
調査条件 :1年以内~10年以上勤務している社会人
20人~1000人以上規模の会社に所属
調査期間 :2023年3月8日~3月13日
有効回答数 :351人
調査方法 :インターネット調査
出典元:ライボ
構成/こじへい