野球用語の一つに「全員野球」という言葉がある。正選手のほか、補欠選手も含めてチーム全員で力を合わせて取り組むことを表し、「全員野球で試合に臨もう」といった使い方がされる。ビジネスシーンにおいても、チームワークで行動することを意味する比喩表現として使われる機会も多い。
そこで本記事では、ビジネス用語としての「全員野球」の詳しい意味や由来をはじめ、例文、類義語や対義語について紹介する。
全員野球とは?
「全員野球」は、冒頭で紹介した通り、正選手も試合には出ない選手も一丸となり、チーム全員で力を合わせて試合に臨むことを意味する。ビジネスシーンでは、個人の能力だけに頼らず、チームワークを大切にし、関係者全員が一致団結して目的に向かって行動することを表す比喩表現として使われる。
全員野球の使い方
ここからは、「全員野球」の使用シーンと例文を紹介する。
使用シーン
「全員野球」は、チームワークを大切にした行動が求められる場面で使うことができる。昭和世代の年配者が多い職場や野球好きの間使われることが多い言葉だ。
例文
「今回のプロジェクトの成功は、会社の今後の成長と優良顧客の獲得に直結する大事な機会だ。必ず成功させたいので、全員野球でこのチャンスを掴み取ろう」
「視聴者から愛される名映画を作るためには、主役だけが輝いていても意味がない。脇役や裏方の製作陣もみんながレギュラーだ。心に残る作品になるように全員野球でこの撮影を乗り切っていこう」
「選手全員が貴重な戦力だ。必ず優勝を勝ち取れるように、全員野球で明日の試合に臨もう」
全員野球の類義語
次に、「全員野球」の類義語を紹介する。それぞれの言葉のニュアンスに微妙な違いがあるため、正しく使い分けられるようにしておこう。
総力戦
組織やチームの総力を結集させて戦うことを意味する言葉だ。
【例文】
「野球の試合が延長戦に入ると、野手がピッチャーを務める総力戦になるだろう」
「値下げ合戦では、企業の資本力が試される。総力戦でこの経営危機を乗り切りたい」
一致結束
複数の人が同じ志のもとに結びつくことを意味する。
【例文】
「一致結束があれば、大きな困難もきっと乗り越えられるだろう」
「2人で一致結束を固めて、この不況に貢献する新事業を成功させよう」
一致団結
集団に属する者が、一つの共通の目的やゴールに向けて、協力・連携しながら物事を進めていく様子を表す。
【例文】
「この機会に、チームで一致団結して何か新しいことを始めたい」
「目的を達成するために大切なことは、みんなが同じ方向を向いて一致団結することだ」