7月の改正道交法施行に向けて
最高速度表示灯は個人で所有する車両、シェアサービスが展開する車両を問わず義務付けられる保安部品である。
MEISTER.Fの特定小型原付区分電動キックボード『MF-EKRA01SRW-BK』は、今の時点(2023年4月12日)で先行予約を受け付けている新型車両である。発売は7月上旬を予定しているが、これは要するに7月1日の改正道交法施行を待っているからだろう。
日本国内向けの発売だから、もちろん保安部品は全て揃っている。最高速度表示灯は分かりやすい位置に設置され、これなら誰が見ても一目瞭然といったところ。
電動キックボードシェアサービスも、改正道交法施行に向けた車両の改良を行っている。都内では既にお馴染みの『LUUP』は、
「省庁により定められた猶予期間である2024年12月までに、全台新たな車両への切り替えを行います」
という告知を公式サイトで発表している。最高時速を現行の15km/hから20km/hに引き上げつつ、最高速度表示灯を設置。さらにナンバープレートを小型化し、視認性確保のためにホワイトを多用したカラーリングを施す。
このように、電動キックボード業界に関わる各社は既に対策を施している。では、我々一般個人は迫る改正道路交通法施行に対してどのように向き合うべきだろうか。
「知らなかった」では済まされない!
新聞社やテレビ局は、特定小型原付区分の電動キックボードに対する「誤解」をそのまま繰り広げてしまうことがある。それは「最高時速の設定を6km/hにすれば、歩道走行が可能」という点だ。
今現在でも「自転車乗り入れ禁止の歩道」というものがあり、そのようなところで電動キックボードを走らせることはもちろん不可能。
また、今後は電動キックボードによる事故を警戒して「特定小型原付の乗り入れ禁止」という措置を下す歩道も出てくるかもしれない。
それを決めるのはつまるところ地元住民だが、どのみち電動キックボードの搭乗者は道路標識の意味を把握している必要がある。特定小型原付は免許不要で公道を走行することができるが、それでも四輪車や自動二輪車と同様に厳格な交通法規を求められる乗り物だ。「知らなかった」では済まされない。
「路上の安全性」は、我々一般市民の意識にその行方がかかっている。
【参考】
特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)に関する交通ルール等について-警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/tokuteikogata.html
特定小型原動機付自転車について-国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000058.html
新しい交通ルール-LUUP
https://lp.luup.sc/pr/2023-new-traffic-rule
MEISTER.Fから公道走行対応モデル、待望の「特定小型」区分電動キックボードがついに登場。7月上旬販売に向けて先行予約を開始します。-PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000047737.html
取材・文/澤田真一