目前に迫ってきた今年のゴールデンウイーク。新型コロナの5類移行が決定したほか、屋内のマスク着用が原則不要になるなど生活面の制約が緩和されたことが追い風となり、昨年以上に旅行機運が高まっていると言われている。
そこでKNT-CTホールディングスから、2023年のゴールデンウィークにおける国内・海外旅行動向をまとめたリポートが発表されたので概要を紹介していきたい。
ゴールデンウィーク・国内人気旅行先ランキング(近畿日本ツーリスト)
ゴールデンウィークの国内旅行動向(近畿日本ツーリスト)
国内人気旅行先ランキングでは、「東京ディズニーリゾート」への観光客が多い千葉県が1位を獲得したほか、大自然、温泉、グルメなどの魅力が満載の北海道が2位、GW定番の人気スポットの沖縄県が3位にランクインした。
そして、4位には「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」への観光客が多い大阪府という結果になった。
今年のゴールデンウィークは、「東京ディズニーリゾート」、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」などコロナ禍では密で避けられる傾向にあった人気テーマパークのあるエリアへの旅行が急増している。
また、北海道・沖縄といった遠方旅行者も急増。昨年実施された県民割・ブロック割は、県内および隣接県からの旅行が対象となっていたため、レンタカーや自家用車で行けるエリアでの旅行に集中する傾向にあったが、航空機・JR等の公共交通機関を利用する旅行も2倍以上に増加している。
人気テーマパークがあるエリアや遠方観光地はコロナ禍前の人気定番スポットであり、今年のゴールデンウィークはコロナ禍前の傾向に戻っていると言えるだろう。
また、物価高の影響と、飛行機や新幹線を利用した遠方旅行が人気のため、旅行代金の平均単価は上昇し、2019年同時期と比較しても1.2倍となっている。
ゴールデンウィーク・人気旅行先伸び率ランキング (近畿日本ツーリスト)
伸び率ランキングの傾向 (近畿日本ツーリスト)
伸び率では、昨年と比較し大阪府が約7倍以上、東京都が約5倍と大幅に増加。地方居住者の都市部への旅行が急激に回復していることがわかる。
また、九州を代表する人気観光地・福岡県や、横浜・鎌倉・箱根など、人気エリアが点在する神奈川県、日本三景に数えられる松島や秋保温泉、作並温泉など有名観光地が多くある宮城県といった定番の観光エリアが軒並みランクイン。
ファミリーはもちろん、幅広い層が訪れる定番の人気エリアも今年は多くの観光客で賑わいを見せそうだ。
ゴールデンウィーク・海外人気旅行先ランキング(近畿日本ツーリスト/クラブツーリズム)
ゴールデンウィークの海外旅行動向(近畿日本ツーリスト/クラブツーリズム)
海外旅行の本格的な復活はまだ先となるが、ワクチン接種や陰性証明、行動制限などが緩和され、入国条件をコロナ禍前と同様に戻す国が増えたことに伴い、国際線も少しずつ増便し、海外旅行しやすい環境が整いつつある。
近畿日本ツーリストの人気旅行先は、ハワイ、アジア(韓国、台湾)、グアムといった短期間でも旅行が楽しめる近場の国がランクインしており、家族で海外旅行を楽しまれる人も増えている。
砂漠の中の近未来都市・ドバイ
一方、添乗員同行の主催旅行を中心に取り扱うクラブツーリズムでは、インド、ドバイ、ウズベキスタン、イスラエル、ブルネイなどの秘境エリアやヨーロッパなどの海外旅行のリピーター向けのコースが人気だ。
これは主に海外旅行を趣味としてきた顧客層が久々の長期休暇を海外で楽しもうと、よりリピーター向けの国・ツアーが選ばれていることが要因だと考えられる。
また、今年の春からは4年越しの外国船日本発着クルーズがいよいよ解禁となり、同社には多くのクルーズ予約が入っているという。
ダイヤモンド・プリンセス、クイーン・エリザベスは2020年の日本発着運航が新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止。21年、22年も感染症対策や安全運航ガイドラインの整備などで運航再開が見送られてきたが、新型コロナウイルス感染の縮小および徹底した感染症対策が実施されるようになり、日本でも今年の3月より運航が再開となった。今年のゴールデンウィークの運航は実に2019年以来4年ぶりとなる。
4年振りの日本での運航となるクイーン・エリザベス
外国船の日本発着クルーズはワクチン3回接種の証明、クルーズ出港48時間以内のPCR検査の実施、ビジットジャパンWEBの登録が必須である他、船内での手洗い・手指消毒の呼びかけ、マスク着用など新型コロナウイルス感染防止対策も講じられ、より安心してクルーズが楽しめるよう進化している。
関連情報
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構成/清水眞希