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海外主要国との格差は5倍以上!?日本のスマート家電、スマートホームの所有率はわずか13%

2023.04.15

住生活に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム「RoomClip」を運営するルームクリップは、スタティスタ・ジャパンの協力を得て、一般社団法人LIVING TECH協会と共同で国内のスマート家電・スマートホーム事情に関する調査を実施。先日、回答結果をまとめたリポートを発表した。掲載された主なトピックスは以下のとおり。

日本と海外の違い

他国に比べた日本の普及の遅れが改めて強調される結果に

Statista社の各国の調査によると、海外調査で取り上げた3か国のうち最も低いノルウェーと比較しても、日本との所有率の差は5倍以上となった。

総務省の情報通信白書(令和4年版)でもスマート家電の所有率は9.3%と報告されており、他国に比べた日本の普及の遅れが改めて強調される結果となった。

スマートホームに対する印象、日本では「コストが高い」「ネット接続による利便性」などが上位

日本においてスマートホームに関する印象を聞くと、「コストが高い」「ネット接続による利便性」「遠隔操作の利便性」が上位に挙がっている。

各国と差が開いたのは「セキュリティを高める」「経済メリットがある」「環境にやさしい」

日本と海外で大きく差が開いたのは「セキュリティを高める」「経済メリットがある」「環境にやさしい」といった視点。

項目によっては3倍以上の開きもあった。「防犯」「環境」といった、各国の住生活において必要に迫られる課題の解決について、代替のサービスよりもコストパフォーマンスが良いと捉えられていると推察できる。

日本の普及率の低さの背景

日本の普及率の低さの理由は「持ち家率の低さ」「専業主婦世帯の多さ」ではない

日本でのスマートホームが普及しないのは、「海外と比べて専業主婦世帯が多く、暮らしに手間をかけられるから」「賃貸が多く、スマート化しづらいから」といった意見が上がることもあるが、調査結果から統計的に大きなギャップは見られなかった。

スマート家電の設定の難しさは普及率に関連しない

スマート家電を48%が所有するRoomClipユーザー(日本人一般の所有率に比べ3倍以上の所有率)において、「スマート家電は設定が複雑」と回答した割合は、全国一般よりも大きく上回る結果となった。

このことから、決してITに対して知識が豊富ではないユーザー層のコミュニティの中でも、普及が先行していることがわかった。

調査でわかった普及率向上のためのヒント

家事サポートや快適化につながるスマート家電から利用が定着

RoomClipユーザーの所有率を見ると、ロボット掃除機やネットワーク対応の冷蔵庫・電子レンジのようなキッチン家電をはじめとする生活家電が1位で、1台でも所有するユーザーは27%超。

これはアメリカの平均値をも超える割合となっている。一方、エンターテインメント系やセキュリティー系の機器の所有率は各国に比べて低いことから、普及の形は海外と同じとは限らないことが示唆された。

購入のきっかけとしてポイントとなるSNS

RoomClipユーザーに所有のきっかけを聞き取ると、1位から順に「自分で調べた(21.5%)※Web検索などが該当」「家電の買い替え(21.1%)」「SNS(17.0%)」といった回答が得られた。

テレビをはじめとしたマスメディアの情報(8.0%)より、2倍以上の割合でWeb検索やSNSなどのオンライン情報によりスマート家電に興味を持ったことがわかる。

共感されるエピソードが増え、スマートロック関連タグ投稿水準は前年比2.2倍に

「スマート家電」分類の中で、直近1年の投稿水準の伸長率が最も高かった「スマートロック」は、投稿水準は前年比2.2倍に。

2020年ごろはプロダクトそのものを見せ、紹介するための投稿が中心だったが、2022年は、当事者間で共感されやすいエピソードが描かれる例が増加。

このようにスマート家電を使う暮らしで得られた良い体験を語る投稿が充実する時期に移っていくことは、普及加速の糸口であると考えられる。

調査の総括及び考察

課題解決手段としての認知が求められるスマート家電

日本では「付加価値=贅沢」として受け入れられてしまうこともあるスマート家電だが、海外のように、暮らしの課題解決手段となる必需品として認知されるようになれば、ユーザー層もより多様化しながら増加していくと考えられる。

SNSによる「エピソード」発信の充実

当事者目線で話せる様々な背景のユーザーが、家電を利用して具体的にどう自分の生活に役立ったかのエピソードを積極的に発話してもらうきっかけづくりが重要になる。

タイムリーなユースケースの提供、例えば「節電」

海外では、スマート家電・スマートホーム機器の利用が「環境にやさしい住まいにできる=エネルギーマネジメントに有効性がある」といった一定の認知がある。

節電が喫緊の課題となっている日本においてそのようなユースケースが提供されると、すぐにでもスマート家電を新しい文脈で届けることが可能になるだろう。

普及の加速に備え、住まいの設計レベルでスマート化を取り込む

スマート家電やスマートホーム設備導入を前提として住まいの意匠に収まるような設計考慮がより強く求められるものとなると考えられる。

あるべき設計の追求・それらを反映した住宅の社会実装に努めることが今後の使命となっていくのではないか。

関連情報
https://lab.roomclip.jp/contents/smarthome/

構成/清水眞希

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