バブルの香りが漂う業界用語「ケツカッチン」ってどういう意味？

どことなくバブルの香りが漂う「ケツカッチン」という言葉は、1990年代に流行したビジネス用語の一つだ。使われる機会が減り、最近では死語になりつつあるが、映像業界や年配世代を中心に、今でも使われることがある。

そこで本記事では、おっさんビジネス用語としても知られている「ケツカッチン」の意味や由来、使い方、言い換え表現について解説する。英語を使う機会の多い方は、英語表現も併せて確認しておこう。

ケツカッチンとは？

ケツカッチンは、後ろ（ケツ：尻）の予定が詰まっていて、拘束時間に制限がある状態のことを指した言葉だ。映画やドラマなどの撮影現場で、撮影の始まりと終わりを知らせるための小道具「カチンコ」を撮影の終了（ケツ：尻）に鳴らすことに由来する言葉で、「ケツカチン」が「ケツカッチン」の形に変化したと言われている。もともとは映像業界を中心に使われていた業界用語だったが、バブル時代には流行語として業界に限らず使われていた。

ケツカッチンの使い方

ここからは、ケツカッチンの例文と使用時の注意点を紹介する。誤った使い方をしないように適切な使用シーンをチェックしておこう。

使用シーン

 「ケツカッチン」は、主に映画やドラマの撮影現場で使われる。基本的に同僚や親しい者同士で使われることの多い放送業界用語だ。

【例文】

「〇〇さん、今日は予定も詰まっているので、16時でケツカッチンです」

「今日は、ケツカッチンで押せないんです。効率よく撮影を進めていきましょう」

「そろそろケツカッチンです！ラストの撮影頑張りましょう」

使用時の注意点

使用する相手の年代によっては、意味を理解してもらえない場合があるため注意が必要だ。また、ケツカッチンは、冗談混じりに使われることが多いため、かしこまった場での使用は避けた方が無難といえる。

ケツカッチンの言い換え表現は？

放送業界で使われる言い換え表現には、「尻ボールド」「ケツカチ」「あとカチ」などがある。

また、「ケツカッチン」と同じような意味を持つ言葉として「タイト」が使用されることも多い。スケジュールが詰め込まれていて、時間的に余裕がない状態のことを表す言葉だ。忙しい一日のことを「タイトな一日」と表現する場合もある。

ケツカッチンと似た意味を持つ英語表現

最後に、ケツカッチンと同じように、時間的な期限が迫っていることや急がなければいけない状況を表す英語表現を紹介する。仕事で英語を使う機会が多い方は、ぜひチェックしておこう。

pressed for time

「時間に追われている」「時間的に余裕がない」ことを表す熟語で、日常的に使用することができる。

【例文】

“I’m sorry, I have to leave now, I’m a bit pressed for time.”

（すみません、もう出発しなくちゃいけません。時間がなくて。）

“We need to finish this project as soon as possible, we’re pressed for time.”

（このプロジェクトを急いで終わらせなければならない、期限が迫っているぞ。）

run out of time

「時間が不足している」状態を表す熟語表現。会議に時間制限がある場合など、ビジネスシーンでも使える表現だ。

【例文】

“We are running out of time, so we need to prioritize our tasks.”

（時間がなくなってきているので、タスクの優先順位を決める必要があります。）

“I’m running out of time this week.”

（今週は残念ながら時間がなくなってきています。）

deadline is approaching

緊張感や焦りを強調することなく、単に「期限が迫っている」ことを表したい場合に便利な表現だ。

【例文】

“The deadline for submitting the project proposal is approaching.”

（プロジェクトに関する企画書の提出期限が迫っている。）

“The deadline is approaching for making final changes.”

（最終変更の期限が近づいてきている。）

文／編集部