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ヒョンデが電気自動車「IONIQ 5 N」の走行テストを−30°Cの北極圏で実施

2023.04.16

ヒョンデは、スウェーデンのアリエプローグにあるHyundai Mobis試験場で、Nブランド初の高性能量産EV「IONIQ 5 N」の冬季極寒テストの詳細を明らかにした。

最も過酷な低摩擦条件でテスト、その結果は?

北極圏に隣接するアリエプローグのHyundai Mobis実験場は、グリップ係数の低い氷結した路面や氷点下-30°C(-22°F)など、自動車メーカーが総合的な冬季テストを行うために必要な要素をすべて備えている。

これにより、Hyundai Nのエンジニアは、IONIQ 5 Nなどのニューモデルを最も過酷な低摩擦条件でテストし、応答性に優れた「fun to drive」と氷点下での安全な性能の最適なバランスを実現することができる。

IONIQ 5 Nにおいてヒョンデは、EV専用プラットフォームE-GMP (Electrified-Global Modular Platform)とモータースポーツで培ったNの技術とのノウハウを融合し、高性能の電動化の水準を高め、真の運転好きがいつでも使用可能なパフォーマンスEVの選択肢となることを目指している。

Hyundai Motor CompanyのNブランド管理およびモータースポーツ部門副社長であるティル・ワルテンベルグ氏は、以下のように述べている。

「ニュルブルクリンクの鋭いコーナーで磨かれた当社のNモデルは、アリエプローグの性能試験場の鋭いコーナーと氷の表面で研ぎ澄まされ、最も過酷な冬の条件でも最高のパフォーマンスを保証します。私たちは、IONIQ 5 Nが当社の広範な性能基準を完璧に満たしていることを証明し、当社初の量産EV NモデルとしてNブランドの成功を約束すると自負しています」

モータースポーツから着想を得た「Corner rascal」、「Racetrack capability」、「Everyday sportscar」というNの性能においての3つの柱は、Nの電動化戦略にも適用されている。

2015年、NブランドはN 2025 Vision Gran Turismoを公開し、次世代の運転好きのための持続可能な未来というビジョンを確立した。

Nの電動化戦略は、RM20eプロトタイプとVeloster N ETCRレーシングカーから始まった。そして昨年、Nブランドは、今年後半に発売予定のブランド初の量産EV「IONIQ 5 N」に向けて、Nの電動化の経験を伝えるために設計されたローリングラボRN22eを発表した。

Hyundai Motor Groupのエグゼクティブ・テクニカルアドバイザーであるアルベルト・ビアマン氏は、次のように語っている。

「当社のEVシフトは、レースで実証済みのVeloster N ETCRによって主導され、私たちは、RN22eによってモータースポーツ技術を公道での走行に橋渡ししようと努めました。今こそ、このすべての約束を親愛なるお客様にお届けする時であり、IONIQ 5 Nはそれを実現できると確信しています。私たちは、スウェーデンのアリエプローグの厳しい環境下でも運転する楽しさを提供するIONIQ 5 Nの性能を実証できました」

IONIQ 5 NにおいてNブランドのエンジニアは、IONIQ 5のE-GMPのデュアルモーター・アーキテクチャーを最適化し、Hyundai i20 N WRC Rally 1カーによってスウェーデンで実証された全路面AWD性能のノウハウを用いてあらゆる走行条件で(アリエプローグの氷の湖でも)高い性能を発揮できるようにした。

IONIQ 5 Nは、Nブランドの市販車として初めて全輪駆動(AWD)を装備。NのAWDの歴史は、2015年の世界ラリー選手権(WRC)への参戦で始まった。Hyundaiは8年間にわたりWRCに出場し、2度の世界チャンピオンを含む数々の栄誉を獲得してきた。

さらに、IONIQ 5 Nのコーナリング性能は、前後トルク配分、トルクレート、サスペンションの剛性、操舵力、e-LSD(電子制御式リミテッドスリップディファレンシャル)システムを統合するドリフト専用走行モードの「Nドリフトオプティマイザー」により、さらに強化されている。

初めてドリフトに挑戦するドライバーにも特に配慮されており、あらゆるスキルレベルのドライバーがドリフト走行を楽しむことができるようになっている。

そして、IONIQ 5 N専用にチューニングされたe-LSDによって、電子制御ユニットがホイールセンサーからの入力をモニターし、特定のホイールがトルクを必要とするタイミングを正確に判断して車両全体のグリップを向上させる。

つまり、サーキットでのコーナリングや高速走行、氷結や深雪などの悪条件の下でも、e-LSDはハンドリングを向上させる。

IONIQ 5 N専用に設計されたe-LSDは、 内燃機関車と比較して反応速度の速いEVのトルク伝達を考慮し、より速いレスポンスと精度を実現している。

加えてIONIQ 5 Nは、ドライブモードごとに最適化された「Nトルク配分」を採用しており、前後のホイールへのトルクレベルをドライバーが選択することができる。

4輪のすべてに様々な比率でパワーを配分するために連動する「Nトルクディストリビューション」とe-LSDは、アリエプローグのような極端に低摩擦の条件でも、EV特有の瞬間的でシームレスなパワー伝達に素早く対応できるように特別に設計されている。

なおNブランドは、冬季テストに合わせて、IONIQ 5 Nのコーナリング特性をハイライトした「Hyundai N|IONIQ 5 N Teaser – Episode 1」を公開した。この動画には、Hyundaiモータースポーツのi20 N WRC Rally 1カーとIONIQ 5 Nのドリフト対決が描かれている。

関連情報:https://www.hyundai.com/

構成/土屋嘉久

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