DIME MAGAZINE
多くの人気ドラマが生まれて、サッカーワールドカップやWBCなど国民的なスポーツイベントが配信サービスで生中継されるなど、すっかり生活に定着した感のある定額動画配信サービス。ただ最近では、グローバルの大手サービスの会員数の伸びの鈍化や料金値上げなどネガティブなニュースも増えてきた。そんな中で国内では、『DMM TV』や『dTV』をリニューアルした『Lemino』などの定額動画配信サービスがスタートし、新たな局面を迎えている。さらに競争が厳しくなった中で、今年に入って大きな動きを見せているのが『U-NEXT』だ。
世界的な人気ドラマを配信している米国の『HBO／HBO MAX』の作品を独占見放題で配信
月額2189円（税込み）の定額配信サービスで、サービス内で利用できるポイント1200円分が毎月付与されるのも特徴。31日間無料トライアルも用意されているので気軽に体験できる。アプリ版は、動画と電子書籍を1アプリでシームレスに利用できる利便性の高さも魅力だ。Android版アプリは、グーグルのタブレット部門を受賞するなど高い評価を受けた。
『U-NEXT』は、映画、ドラマ、アニメなど現在約27万本の見放題作品を配信している国内最大級の動画配信サービス。動画、雑誌読み放題、電子書籍などが1プランで利用でき、会員に毎月付与されるポイントを使って最新映画レンタル、電子書籍購入、映画館での映画鑑賞など有料サービスに活用できるのが魅力だ。世界的な人気ドラマを配信している米国の『HBO／HBO MAX』の作品を独占見放題で配信するなど、独自路線で高品質なコンテンツを擁して高い支持を集めている。
「コロナ禍の巣ごもり需要も落ち着いてきて、2021年から2022年はサブスクの動画配信サービスの成長が頭打ちになっているという報道も多かったですが、会員数は順調に伸びていて、頭打ちという印象はなくプラス成長で比較的好調です。市場としては、デジタル化していないビデオレンタル市場やCS放送からの乗り換え需要は、まだまだのびしろがあると感じています」（U-NEXT／経営戦略室・佐野裕美さん）
『U-NEXT』の人気をけん引する米国ワーナーブラザーズ・ディスカバリーが展開するプレミアムチャンネル『HBO／HBO MAX』の作品は、『AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章』（写真）や『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』などの大作ドラマが充実。2023年3月7日には、SVODの独占パートナーシップ契約強化を発表し、HBOのライブラリーは332作品2300エピソード以上が見放題配信になった。
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さらに今年3月には、TBS、テレビ東京、WOWOWのコンテンツを幅広く揃える動画配信サービス『Paravi』と統合したことも大きなニュースとなった。7月を目途に『U-NEXT』で現在の『Paravi』のコンテンツが見放題で視聴できるようになる。これまで『U-NEXT』は、国内のドラマやバラエティに関して作品ごとに直接契約する形が基本だったが、今後はテレビ東京とTBSのコンテンツは基本的に見逃し配信に加わる。この統合により、サービスの規模も売上高800億円以上、有料会員数370万人以上、配信コンテンツ35万本以上という国内勢最大級の動画プラットフォームになる。
「サブスクサービスなので単純計算で月額費を会員数でかけたものが売り上げになり、会員数が増えればそれだけコンテンツ開発に投資できる規模も増えます。これまで映画、アニメ、海外・アジアドラマに力を入れて他サービスと競争できるような環境作りをしてきましたが、国内ドラマやバラエティ番組は後手に回っていた部分もありました。今回の統合で課題だったジャンルを強化できるのは大きな魅力です。テレビ離れが叫ばれて久しいですが、SNSでの拡散やリアルタイムで人気が広がるのは、やはり国内ドラマや人気バラエティです。統合を機にそれらの見逃し配信が加わることにより、サービス内でも人気コンテンツになると期待しています」（佐野さん）
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