日本酒造組合中央会が6年ぶりに『日本酒需要動向調査』を実施
人との接触が控えられていたコロナ禍も収まり、3年ぶりにお酒を交えながら会食が楽しめるようになった。では、コロナ前と比べ現在のお酒に関する意識はどう変わったのだろうか。
日本酒造組合中央会では、2022年12月から2023年1月に全国の20歳から70歳までの全国の男女3,000人を対象に『日本酒需要動向調査』を実施した。
好きな酒類は日本酒が2位!日本酒が好きと回答した女性が倍増
この1ヶ月で自身が購入した自宅用の酒類・ノンアルコール飲料を複数回答可で尋ねたところ、ビール類、チューハイ類に次ぎ24.8%の人が日本酒を購入していることがわかった。
これは、およそ4人に1人が直近1ヶ月内に日本酒を購入したことになる。また、この1ヶ月で購入した飲料はないという回答も多くみられた。
前回、2017年の調査年には項目としてなかったノンアルコール飲料カテゴリーの選択肢を加えて好きな酒類を調査。
調査対象の酒類が増えたことに伴い、単純比較はできないものの2017年ではビール、ワインに次いで日本酒は3位だったが、今回の調査では、ワインを抜いて2位に躍進した。
男女別では、女性の比率が2倍に増加したことが大きい。年代別は、30代から60代の層が日本酒が好きと回答している。
日本酒の歴史や造りなど日本酒の魅力について尋ねたところ、「酒蔵が名水地に立地している」ことが48.6%と約半数の人が回答。
日本酒造りにとって「水」は日本酒の味わいを左右する大きな要素になっており、名水のあるところに銘酒ありという認識があることが伺える。
さらに、その中で最も魅力的なものをひとつ尋ねたところ「いろいろな温度帯で楽しめる」が17.2%でトップになった。温度帯という他のアルコールカテゴリーにはない楽しみ方が日本酒の特徴と認識されているようだ。
日本酒飲用意向はZ世代・団塊ジュニアの若い世代ほど高く、サスティナブルや健康志向が高い日本酒が人気
「地球環境や労働環境などに配慮したサスティナブルな活動をしている酒蔵の銘柄の日本酒を積極的に購入したいか」という問いかけには、全体で76.7%の人が購入したいと回答していた。
また、オーガニック製法で造られた日本酒を購入したいかと尋ねた回答は全体で過半数を超える67.7%が購入したいと答えている。サスティナブルの具体的な取り組みであるSDGsや地球環境への配慮していることが購入意欲の増加につながっているようだ。
世代別では、サスティナブル活動酒蔵購入意欲の割合は、70%以上と高数値で大差はないもののZ世代・団塊ジュニアといった若い世代ほどオーガニック製法の日本酒に注目していることが伺える。
低アルコールの日本酒を購入したいと思うかという問いに対しては、過半数を超える52.7%の人が購入したいと回答。2人に1人という健康志向の高まりが伺える結果に。
一方、世代別では、団塊世代が低アルコールの日本酒を購入したいという回答が36.3%に対し、Z世代は、購入したいが72.3%を占めていた。Z世代ほど、アルコール度の低いライトさが求められているようだ。
コロナ禍における規制緩和の狭間において、直近1ヶ月は、団塊世代を筆頭にどの世代も自宅で日本酒を飲んだ比率が高いことが判明。また、自宅以外での日本酒飲用は、Z世代と団塊が高い傾向となった。
Z世代は外食頻度も1位であることから、自宅で1人で日本酒を飲むというよりも外飲み傾向が高いようだ。
今後日本酒を飲む機会を増やしたいかという問いには、Z世代(35%)と団塊ジュニア世代(55.5%)という若い世代の日本酒へのチャレンジ傾向が高かった。
飲食店で日本酒を注文する際の重視するポイントは、どの世代も認知度の高いブランド・メーカーを重視していた。
一方、料理のペアリングを重視している数値が高いのがZ世代であった。また、Z世代は、知人・友人のおすすめという数値が他世代より多い。
団塊世代は過去飲んだことのある銘柄を重視していた。団塊ジュニアは、純米大吟醸酒などのカテゴリーを最も重視していることが伺える。
調査概要
『日本酒需要動向調査』
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国の20~70代男女 日本酒ユーザー/日本酒ポテンシャルユーザー
回答者数:本調査3,000サンプル
調査期間:2023年1月6日(金)~1月12日(木)
調査会社:ネオマーケティング
関連情報:https://www.japansake.or.jp/
構成/Ara